エレクトロニック

コズミッシェ・ムジーク

Kosmische Musik

ドイツ / 西ヨーロッパ · 1971年〜

Krautrockのうち、特にシンセサイザーを主とした宇宙志向の電子音楽サブカテゴリ。

どんな音か

コズミッシェ・ムジークは、ドイツクラウトロック周辺から生まれた宇宙志向の電子音楽。シンセサイザーのシーケンスがゆっくり反復し、長いドローンや浮遊するコードが、星雲の中を進むような時間を作る。Tangerine Dreamの「Phaedra」は、リズムが鼓動のように揺れ、Klaus Schulzeはさらに長大で瞑想的な電子音の旅を広げる。

生まれた背景

1970年代前半の西ドイツで、ロック、現代音楽、電子音響、サイケデリック文化が混ざって発展した。英米ロックの模倣から離れ、スタジオ機材とシンセで新しいドイツの音を探した流れの一部である。宇宙開発、SF、内的旅行への関心も音のイメージを支えた。

聴きどころ

曲の展開を急がず、シーケンスの反復が少しずつ変わるところを聴く。キックやスネアがなくても、シンセの脈動が推進力になる。長い曲では、音色のフィルターが開いたり、和音が霧のように変化したりする過程が聴きどころだ。

発展

1980年代以降、ニューエイジ/Ambient/Synth-pop/Trance全般の母体として機能した。

出来事

  • 1971: Tangerine Dream『Alpha Centauri』 / 1976: Klaus Schulze『Moondawn』 / 1984: Manuel Göttsching『E2-E4』

派生・影響

Ambient、Trance、Berlin School。

音楽的特徴

楽器シンセ、シーケンサー、メロトロン

リズム長尺シーケンス、宇宙的シンセパッド

代表アーティスト

  • Tangerine Dreamドイツ · 1967年〜
  • Klaus Schulzeドイツ · 1969年〜2022

代表曲

日本との関係

日本ではプログレ、電子音楽、環境音楽のリスナーに長く支持されている。YMO以前の電子音楽史や、アンビエントテクノの源流としても語られる。日本のシンセ愛好家にとって、Tangerine DreamやKlaus Schulzeは機材と音響の想像力を広げた存在である。

初めて聴くなら

入口は「Phaedra — Tangerine Dream (1974)」。シーケンサーによる宇宙的な反復が分かる。ライブ感のある流れは「Ricochet — Tangerine Dream (1975)」。長く沈むシンセの旅には「Mirage — Klaus Schulze (1977)」がよい。

豆知識

クラウトロックは宇宙音楽という意味合いを持つが、派手なスペースオペラではない。むしろ少ない音の反復で、時間と空間の感覚を引き伸ばす電子音楽である。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1960年代1970年代コズミッシェ・ムジークコズミッシェ・ムジーククラウトロッククラウトロック凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
コズミッシェ・ムジークを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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ドイツ · 1971年前後 (±25年)

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