ダブ・テクノ
1990年代ベルリン発、Dubのリバーブ/ディレイ感覚をデトロイト・テクノに導入したサブジャンル。
どんな音か
生まれた背景
聴きどころ
Basic Channelの『Phylyps Trak』(1993年)ではキックドラムの「余韻」に注目する。音が鳴った後にどれだけの残響が残り、それが次の音と重なっていくかを追うと、ダブ処理の仕組みが体感できる。Poleの『Stadt』(1998年)ではレコードのスクラッチノイズ(バチッ、プツッという音)がリズムの一部として機能しており、それが「ミスではなく設計」であることを認識してから聴くと曲の見え方が変わる。
発展
Chain Reaction、Echocord、Deepchordなどのレーベルがシーン化。2010年代にAmbient Technoとも結合した。
出来事
- 1993: Basic Channel『Phylyps Trak』 / 1995: Maurizio『M-Series』 / 1998: Pole『1』
派生・影響
Ambient Techno、Minimal Techno、Berlin School。
音楽的特徴
楽器TR-909、シンセ、テープエコー、スプリングリバーブ
リズム120-130 BPM、長いディレイ、深いリバーブ
代表アーティスト
- Basic Channel
- Pole
代表曲
- Phylyps Trak — Basic Channel (1993)
- Octagon — Basic Channel (1994)
- Quadrant Dub — Basic Channel (1994)
- Modul — Pole (1998)
- Stadt — Pole (1998)
M5 — Basic Channel (1994)
Steingarten — Pole (2007)
日本との関係
初めて聴くなら
Basic Channelの『Phylyps Trak』(1993年)から始める。音量を上げて聴くことが必須で、低音の処理がスピーカーのサイズによって大きく変わる。夜のクラブを想定した音楽だが、ヘッドフォンで部屋を暗くして聴いても空間的な没入感は得られる。Poleの『Stadt』(1998年)へ進むと、同系統の美学がより実験的・個人的なスケールで現れる。
豆知識
Basic Channelはレーベル名と同時にアーティスト名でもあり、マーク・エルネストゥスはBulance(バルランス)、モーリッツ・フォン・オズワルドはVault(ヴォールト)名義でも活動した。彼らのレーベル網(Chain Reaction, Rhythm & Soundなど)はダブ・テクノの定番レーベルとなり、2000年代まで「スタイルシートなしの白黒レーベル・デザイン」が美学的な統一感として機能していた。
