ポップ

ドリームポップ

Dream Pop

イギリス / 西ヨーロッパ · 1983年〜

1980年代後半UKで成立した、リバーブ深いギター・空気感あるヴォーカル・浮遊感ある旋律を特徴とするポップ。

どんな音か

ドリームポップは、輪郭を少しぼかしたギター、深いリバーブ、息の多いボーカルで浮遊感を作るポップ。Cocteau Twinsでは声が言葉の意味を離れて光の粒のように漂い、Beach ハウスではオルガンやシンセがゆっくり波打つ。Mazzy Starの「Fade Into You」は、フォークブルースの影をまといながら、夢の中の夕暮れのように沈む。

生まれた背景

1980年代のイギリスで、ポストパンク、ネオサイケ、シューゲイザーの周辺から形が見えてきた。ギターを前に突き出すロックではなく、エフェクトで空気を作り、声をその中に溶かす発想が中心になった。90年代以降はアメリカ合衆国のインディー、2010年代の配信世代まで広がり、内省的なポップの定番語彙になった。

聴きどころ

歌詞を追う前に、声が楽器の中でどれくらい近いか遠いかを聴くとよい。ギターのコードは輪郭がにじみ、ドラムは強く叩くより淡く支える。サビの爆発より、同じコードの中で光が揺れるような変化が魅力になる。

発展

1990年代Mazzy Starを経て、2010年代Beach House『Teen Dream』(2010)で再定式化。Cigarettes After Sex(2017)で再大衆化。

出来事

  • 1984: Cocteau Twins『Treasure』 / 1991: Slowdive『Just for a Day』 / 2010: Beach House『Teen Dream』

派生・影響

Shoegaze、Bedroom Pop、Lo-fi Indie、Slowcore。

音楽的特徴

楽器クリーン/コーラスギター、シンセ、ドラム、声

リズム中速、空間的サウンド、深いリバーブ

代表アーティスト

  • Cocteau Twinsイギリス · 1979年〜1997
  • Mazzy Starアメリカ合衆国 · 1989年〜
  • Sigur Rósアイスランド · 1994年〜
  • Beach Houseアメリカ合衆国 · 2004年〜
  • Cigarettes After Sexアメリカ合衆国 · 2008年〜

代表曲

日本との関係

日本ではインディーロック、シューゲイザー、渋谷系以降のギターポップを聴く層に浸透している。Cocteau TwinsやBeach ハウスは音楽好きの定番として紹介され、日本のバンドにもリバーブ深い声とギターの質感を取り入れる例が多い。夜のプレイリスト文化とも相性がよい。

初めて聴くなら

原型を知るなら「Heaven or Las Vegas — Cocteau Twins (1990)」。現代的で入りやすい入口は「Space Song — Beach ハウス (2015)」。静かな痛みを味わうなら「Fade Into You — Mazzy Star (1993)」がよい。

豆知識

ドリームポップは甘いだけの音楽ではない。声やギターをぼかすことで、言葉にしきれない不安や孤独も一緒に響く。夢という名前のわりに、目覚めた後の寂しさを感じる作品も多い。

影響・派生で結ばれたジャンル

ドリームポップを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

イギリス · 1983年前後 (±25年)

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