フリー・インプロヴィゼーション
1960年代後半にUK/欧州で成立した、Free Jazzから派生しジャンル/フォルム/和声規則を全て放棄した即興音楽。
どんな音か
フリー・インプロヴィゼーションは、曲、コード進行、決まった拍を前提にしない即興音楽。サックスの息だけの音、ギターの弦をこする音、打楽器の金属音、電子ノイズが、会話のように出入りする。音が少ない時間も多く、沈黙が演奏の一部になる。AMMの録音では、誰が主旋律を担当しているかという聴き方が通用せず、場全体がゆっくり変形する。
生まれた背景
聴きどころ
メロディを探し続けると疲れるので、音の距離を聴くとよい。ある楽器が短く鳴ったあと、別の楽器が応えるのか、無視するのか、空白を置くのか。大きい音より小さい擦過音、息、倍音の変化に焦点を合わせると、演奏者の反応速度が分かる。録音の部屋鳴りも重要だ。
発展
Incusレーベル(Derek Bailey/Evan Parker主宰)を中心にシーン化。後の Onkyokei、Reductionism、EAI(エレクトロアコースティック・インプロヴィゼーション)に接続。
出来事
- 1965: AMM結成 / 1968: AMM『AMMMusic』 / 1980: Bailey『Improvisation』(著書)
派生・影響
Onkyokei、Reductionism、EAI、Lowercase。
音楽的特徴
楽器可変(ギター、サックス、打楽器、電子楽器)
リズムテンポフリー、構造を持たない即興
代表アーティスト
- Derek Bailey
- AMM
- Evan Parker
- 大友良英
- Burkhard Beins
代表曲
- Improvisation — Derek Bailey (1980)
AMMMusic — AMM (1968)
Aida — Derek Bailey (1980)
Topography of the Lungs — Evan Parker (1970)
Cassiber — AMM (1977)
Six Of One, Half-Dozen Of The Other — Evan Parker (1980)
日本との関係
初めて聴くなら
集団即興の入口には「AMMMusic — AMM (1968)」。ギターの即興語法を知るなら「Improvisation — Derek Bailey (1980)」。サックスの息と循環呼吸の密度を聴くなら「Topography of the Lungs — Evan Parker (1970)」がよい。
豆知識
Freeという言葉は、何をしてもよいという軽さより、あらかじめ決めた支えを外す緊張を含んでいる。演奏者は自由に弾くのではなく、他人の音、部屋、偶然のノイズに細かく反応し続ける。
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- ロック・メタルハードロック
- ロック・メタルプログレッシブロック
- ロック・メタルスペースロック
- ロック・メタルヘヴィメタル
- エレクトロニックアンビエント
- 古典ライブラリ・ミュージック
- エレクトロニック新複雑性
- エレクトロニックインダストリアル
