エレクトロニック

シーパンク

Seapunk

オンライン / アメリカ合衆国 / 北米 · 2011〜2013年

2011-12年にTumblrで発生した、海洋/Y2K美学とジャグル/ガラージを参照した短命なネット系電子音楽。

どんな音か

BPM 130~160の中速テンポで、シンセは『水が揺らぐような』エフェクト処理がされ、ドラムは『ジャングル的』な高速フィル。ベースラインは『ガラージ』由来の『すり抜ける』感覚。全体として『海中の音響環境』をテーマに、Y2K(2000年前後)的な『テクノロジー楽観主義の喪失感』が音響化されている。いわば『水に沈むPC』のような質感。

生まれた背景

2011年、Tumblrで『海洋』『シーホース』『マーメイド』『テクノロジー』『グリッチ』といったアイコノグラフィが美学的に結合する『シーパンク』ムーヴメントが発生。音楽面では Ultrademon や Slava といったプロデューサーが『視覚的イメージに対応する音響』を作成。しかし数年で衰退し、2013年には事実上消滅。

聴きどころ

『Aqua Boogie — Ultrademon』での『シンセのディレイ』と『ドラムの緊迫感』の矛盾。『シーパンク Vol. 1』での『テクノロジーと自然の衝突』の音響化。シーパンクは『視覚と音響が完全に同期』しているジャンルで、映像なしでは本質が半減する。

発展

シーン自体は短命だったが、Vaporwaveと並行する「Tumblrサブカル系電子」の典型として参照され続ける。

出来事

  • 2011: Tumblrでミーム化 / 2012: Azealia Banks『Atlantis』

派生・影響

Vaportrap、Hyperpop、Future Garageへ連続。

音楽的特徴

楽器DAW、サンプラー、ピッチシフター

リズム120-130 BPM、ガラージ風シャッフル

代表アーティスト

  • Slavaロシア · 2011年〜
  • Ultrademonアメリカ合衆国 · 2011年〜

代表曲

日本との関係

日本ではインターネット文化とビジュアル美学に敏感なコミュニティ(pixiv、ニコニコ動画ユーザー等)に認知されたが、『音楽ジャンル』として定着することはなかった。むしろ『美術運動』として捉えられた。

初めて聴くなら

シーパンク Vol. 1 — Ultrademon』と、その後YouTube等で『シーパンク』という検索タグの下にある『ビジュアル』を一緒に観ること。音だけでは シーパンク は成立しない。

豆知識

シーパンクは『音楽ジャンル』というより『ビジュアル・イデオロギー』に近い。つまり『短命だった』理由は『流行が去った』というより『その美学の『本質的な非実在性』』(つまりバーチャル性の際限のなさ)が人々に認識されたから、という説も存在。

同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

アメリカ合衆国 · 2011年前後 (±25年)

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