ラテン・カリブ
サンバ
Samba
リオデジャネイロ / ブラジル / 南米 · 1910年〜
1900年代初頭のブラジルで成立した、打楽器中心のリズム音楽。
どんな音か
ブラジル・リオデジャネイロ発祥のダンス音楽。BPMは100前後の2/4拍子(2拍子)。スルド(大太鼓)、タンボリン(手のひらサイズの太鼓)、パンデイロ(タンバリン)、カバキーニョ(4弦の小型ギター)、クイーカ(摩擦太鼓)、アゴゴ(2連の鈴)が基本編成。歌は男女両方、2〜3声のハーモニー。歌詞はポルトガル語、テーマはリオの街、女性、フェイジョアーダ(料理)、サッカー、人生の苦みと甘みの両立。録音は打楽器が前面、低音が下から押し上げる。
生まれた背景
20世紀初頭のリオデジャネイロ。バイーア州から移住したアフリカ系コミュニティが、自分たちの伝統リズム(セメンバ、マシーシ)を都市の街角で演奏したのが起点。1917年、ドンガが作曲した『Pelo Telefone』が初の「サンバ」として商業録音された。1930年代に毎年のカーニバルでサンバ・スクール(地区ごとのパレード組織)が組織化され、1940年代以降は世界的に広がった。1950年代後半にボサノヴァが派生、1960年代にはサンバ・カンサォン(歌唱を強調したバラード系)、1970年代にサンバ・パゴージ(より親密でアコースティックな形式)へ展開。
聴きどころ
スルドが「ドン・ドン」と4拍子の中の偶数拍に重みを落とし、タンボリンとパンデイロが細かく絡む層構造。クイーカの「キュッキュッ」という独特の摩擦音(水で濡らした布を竹に巻きつけて擦る)。歌い手とコーラスの掛け合い、特にサビでの大合唱。カーニバル本番では1曲を90分以上引っ張る。
音楽的特徴
楽器スルド、タンボリン、パンデイロ、カバキーニョ、声
リズム2/4拍子、シンコペーション、複合的な打楽器
代表アーティスト
- Cartolaブラジル · 1928年〜1980
- Antônio Carlos Jobimブラジル · 1956年〜1994
- Martinho da Vilaブラジル · 1967年〜
- Beth Carvalhoブラジル · 1968年〜2019
代表曲
Aquarela do Brasil (1939)
Casa de Bamba — Martinho da Vila (1969)
As Rosas Não Falam — Cartola (1976)
Vou Festejar — Beth Carvalho (1978)
日本との関係
1980年代以降の浅草サンバカーニバルが日本独自のサンバ文化を作った。リベルダージ、エンサイオなど日本人主体のサンバ・スクールが本場リオの大会にも参加している。小野リサのボサノヴァ歌唱、中嶋ユキノ、辺野古サンバなど日本のラテン・シーンも継続している。中本マリ、SOIL & PIMP SESSIONSなど日本のジャズ系もサンバ感覚を取り入れている。
初めて聴くなら
古典を1曲なら、Cartola『O Mundo é um Moinho』(1976)。サンバ・カンサォンの最高峰。カーニバル系を聴きたいなら、Beth Carvalho『Vou Festejar』。最近のものなら、Diogo Nogueira『Porta Voz da Alegria』。
豆知識
リオのサンバ・スクール最高峰の大会(エスペシアル・グループ)では、毎年カーニバル翌日に審査結果が発表され、降格・昇格があるリーグ制になっている。サンバドロームと呼ばれる750mの専用パレード会場(オスカー・ニーマイヤー設計、1984年)は、毎年カーニバルのためだけに建てられた施設。
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
ブラジル · 1910年前後 (±25年)
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