ファンキ・カリオカ
1980年代リオデジャネイロのファヴェーラで生まれた、米マイアミ・ベースのリズムを在地化した低音特化のストリート・ダンス音楽。
まずはここから
ひとことで言うと1980年代リオデジャネイロのファヴェーラで生まれた、米マイアミ・ベースのリズムを在地化した低音特化のストリート・ダンス音楽。
まずはこの曲からMC Marlboro — Rap das Armas ▶ YouTube
代表的な人MC Marlboro
どんな音か
リオデジャネイロのファヴェーラ(貧民街)発のダンス音楽である。BPM130〜150・4拍子を土台に、低音を強く効かせるのが基本だ。1990年代には米国産のループ「ヴォルト・ミックス(Volt Mix)」を土台にしたビートが主流だった。だが1990年代末、これに代わってアフロ・ブラジル由来の太鼓をサンプリングした「タンボルゾン(tamborzão)」が登場する。音作りの土台はドラムマシン(リズムマシンの定番機種)とシンセ・ベース。そこにマイアミ・ベースやサンバ、街頭の掛け声、MCの声などのサンプルを重ねる。その上を、ラップと歌の中間のようなポルトガル語ヴォーカル(男女とも)が鋭く前へ出てくる。1曲の長さは2〜4分ほど。歌詞はダンスや性、ファヴェーラの暮らし、警察、ストリートの暴力、ブランドや贅沢まで幅広い。派生は多彩だ。音はほぼ同じビートでも、語る世界が枝分かれしていく。富を誇示する「オステンタソン(ostentação)」、政治を語る「コンシエンチ(consciente)」、過激すぎて発禁になる「プロイビダォン(proibidão)」などがある。そして2020年代、旋律をほぼ削ぎ落とし、歪んだ低音とビートと声だけで成り立つ「マンデラォン(mandelão)/ブルシャリア(bruxaria)」が現れる。
このジャンルを特徴づける代表的なリズムパターン。再生ボタンでループ再生し、下のリズム譜で今どの拍が鳴っているかを確認できます。
聴きどころ
初めて聴くなら
ジャンルの土台を知るなら「Rap das Armas」から。原曲は MC Júnior e MC Leonardo が書いた曲で、Cidinho & Doca が歌い替えたバージョンが2007年の映画『トロッパ・ヂ・エリーチ(エリート・スクワッド)』で世界に知られた一曲だ。世界的バイラルを体験するなら Anitta『Envolver』(2022)。古典は Tati Quebra Barraco『Boladona』(2004)、最近のものなら Ludmilla『Maldivas』(2022)が入り口になる。MCたちがリオ北部・西部の自宅スタジオで荒く速く作り上げる、ストリート直結の制作感も併せて味わいたい。
代表アーティスト
- MC Marlboro
- MC Marcinho
- Anitta
もっと見る(あと1件)
- MC Fioti
代表曲
- MC Marlboro — Rap das Armas (1995)
生まれた背景
音楽的特徴の詳細
楽器ドラムマシン、シンセ、サンプラー、声
リズムTR-808低音、タンボル拍子、ポルトガル語ラップ・シャウト
発展
2000年代のMCタチ・カキ、MCマルシニーニョ、2010年代以降のアニタが商業的・国際的成功を収め、ブラジル汎国民ポップ・国際フェスティバル文化に組み込まれた。アマピアノ、ジャージー・クラブとの交差も進む。
出来事
- 1989: DJマルレン回し開始
- 2002: MCタチ・カキ
- 2010: アニタ・デビュー
- 2017: アニタ国際メインストリーム
派生・影響
マイアミ・ベースから派生してファンキ・カリオカが成立。レゲトン、アマピアノと交差。
その後の代表曲
- MC Fioti — Bum Bum Tam Tam (2017)
- Anitta — Envolver (2022)
- MC Marcinho — Sou Eu Que Tô (2000)
もっと見る(あと1件)
- MC Marlboro — Furacão 2000 - Eu Quero Tchu (2000)
日本との関係
豆知識
影響・派生で結ばれたジャンル
系譜図を見る
感触が近い系譜も地域も違うのに、聴くと通じるジャンル
ファンキ・カリオカが好きな人は、この6つも刺さる可能性が高いです。系譜図には出てこない、意外な隣人たち。
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