ラテン・カリブ

フォホー

Forró

ブラジル / 南米 · 1940年〜

ブラジル北東部の民俗ダンス音楽。アコーディオン、ザブンバ、トライアングルを核とする。

どんな音か

ブラジル北東部のセルタオン(乾燥内陸)発祥の伝統的ダンス音楽。BPM 110〜140の2/4拍子。アコーディオン(ボタン式)、ザブンバ(両面太鼓を肩から下げて叩く)、トライアングル(金属の三角形を木の棒で打つ)が基本3点編成。歌は男声中心、ポルトガル語、テーマは農村の暮らし、恋愛、別れ、北東部への郷愁、雨・干ばつ。リズムは「バイアォン(2/4)」、「シャシャード(高速)」、「ヴァナラオン(中速)」など。ダンスは2人組で踊る伝統舞踊。

生まれた背景

20世紀前半のブラジル北東部の農村で成立。1946年のLuiz Gonzaga(『フォホーの王』と呼ばれる)が『バイアォン』『Asa Branca』を全国的にヒットさせ、北東部音楽を都市化したのが商業的起点。1950〜60年代に黄金期、北東部から都市部(リオ、サンパウロ)への移民労働者が「故郷を思い出す音楽」として愛した。1980年代以降、商業的には縮小したが、現代では「フォホー Universitário」(若い世代の現代的フォホー)、「フォホー Eletrônico」(電子化フォホー)が継承している。Falamansa、Aviões do フォホー、Wesley Safadãoが現代の代表。

聴きどころ

アコーディオン、ザブンバ、トライアングルの3点編成のシンプルさと完成度。ザブンバの「ドゥッ・タッ・ドゥッ・タッ」(片面ずつ叩く)パターン。トライアングルの「チンチンチン」が2拍4拍の裏拍を強調する。歌い手の北東部訛りのポルトガル語、感情のこもった語り口。

代表アーティスト

  • Luiz Gonzagaブラジル · 1941年〜1989
  • Sivucaブラジル · 1950年〜2006
  • Jackson do Pandeiroブラジル · 1953年〜1982
  • Dominguinhosブラジル · 1964年〜2013

代表曲

日本との関係

ブラジル系コミュニティ(浜松、群馬、愛知)の中で活発に聴かれている。日本のラテン・シーンでは存在感は限定的だが、Lisa Onoらブラジル音楽愛好者の間では知られている。

初めて聴くなら

古典なら、Luiz Gonzaga『Asa Branca』(1947)。フォホーの最も有名な曲。『バイアォン』(1946)。現代なら、Falamansa『Xote dos Milagres』(2000)、Wesley Safadão『Camarote』(2014)。

豆知識

フォホー」の語源は諸説。「For all(全員のために)」という英語が訛ったという説(20世紀前半に英国人雇用者がパーティを開いた際の看板から)が有名だが、ポルトガル語の「forrobodó(賑やかな宴会)」が短縮されたという説の方が現代では主流。Luiz Gonzaga『Asa Branca』(1947)はブラジルの「第二の国歌」と呼ばれるほど愛されている。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1900年代1910年代1940年代フォホーフォホーバイアォンバイアォンサンバサンバ凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
フォホーを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

フォホー の系譜全体図(多段)を見る

同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

ブラジル · 1940年前後 (±25年)

ジャンル一覧へ戻る