エレクトロニック

ブレイクコア

Breakcore

国際 / 北米 · 1998年〜

1990年代後半-2000年代に発展した、Amen Breakやハードコアを高速・極限に再構成した実験的電子音楽。

どんな音か

ブレイクコアは、Amen Breakのようなドラムブレイクを極端に切り刻み、ハードコアの速度とノイズ感で押し切る電子音楽。キックは硬く、スネアは機関銃のように細分化され、拍の頭をわざと見失わせる。Venetian Snaresの曲では、クラシックの弦や不穏なサンプルが高速ドラムとぶつかり、暴力的なのに妙に作曲的な構造が立ち上がる。

生まれた背景

1990年代後半から2000年代にかけて、ジャングルドラムンベース、ハードコア・テクノ、インダストリアル、ノイズの周辺で育った。国際的なネットレーベルや小規模イベントを通じて広がり、クラブのダンス音楽でありながら、踊りやすさを壊す方向にも進んだ。高速化だけでなく、編集ソフトでドラムを細かく再配置できる制作環境が大きい。

聴きどころ

最初は速さに圧倒されるが、スネアの位置を追うと構造が見えてくる。4拍子が保たれている瞬間、突然拍子が崩れる瞬間、メロディやサンプルが入って空気が変わる瞬間を分けて聴くとよい。低音の連打より、ドラムの切れ目に一瞬できる空白が緊張を作っている。

発展

Praxis、Sublight、Cock Roackレーベルがハブ。日本ではDuran Duran Duran、後にハッピーニューイヤーシーンとも結合した。

出来事

  • 2001: Venetian Snares『Doll Doll Doll』 / 2005: Venetian Snares『Rossz Csillag Alatt Született』

派生・影響

Drill'n Bass、Drum'n Bass、Hardcore Techno、Mashcore。

音楽的特徴

楽器DAW、サンプラー、ブレイクビーツ

リズム180-300 BPM、Amen Break乱用、極端なシンコペ

代表アーティスト

  • Venetian Snaresカナダ · 1996年〜

代表曲

日本との関係

日本ではブレイクコア、ナードコア、同人電子音楽、ゲーム音楽リミックスの周辺で受け入れられた。秋葉原的なサンプル感覚や高速BPMのクラブイベントとも接点があり、海外の過激な音と日本のネット音楽が近い距離で聴かれることもあった。大規模流行ではなく、濃いリスナーのジャンルである。

初めて聴くなら

構成の美しさも聴きたいなら「Hajnal — Venetian Snares (2005)」から。弦の旋律とドラムの破壊力が同時に分かる。暗く重い入口なら「Doll Doll Doll — Venetian Snares (2001)」、短い衝撃を浴びるなら「Hospitality — Venetian Snares (2003)」も向いている。

豆知識

ブレイクコアドラムンベースの単なる高速版ではない。ブレイクビーツを細かく編集し、拍子やサンプルの文脈を壊すところに焦点がある。Venetian Snaresが変拍子を多用したことで、過激なダンス音楽と現代音楽的な聴き方の間に橋ができた。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1990年代ブレイクコアブレイクコアガバーガバードリルンベースドリルンベース凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ブレイクコアを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

ブレイクコア の系譜全体図(多段)を見る

同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

国際 · 1998年前後 (±25年)

ジャンル一覧へ戻る