キューバ
Cuba
中南米・カリブ
キューバではここ数年、レパルト(レパルト)が爆発的に伸びた。レゲトンの土台になっているのが「デンボウ」というカリブ由来のリズム。レパルトはそのデンボウの上に、ルンバ由来のクラーベ(キューバ音楽の基本となる手拍子のリズム型)やティンバといったキューバ独自の要素を重ね、打楽器をより細かく刻んで畳みかけるように鳴らすダンス音楽だ。ハバナの下町(バリオ)で生まれ、地元の人気ではすでに、マイアミ経由で入ってくるプエルトリコ系の旧来型レゲトンを追い抜いた。中心人物は、下町から成り上がってジャンル最大のスターになったOniel Bebeshito(オニエル・ベベシート)。アメリカ合衆国でのヒットの証しである全米レコード協会(RIAA)のゴールド/プラチナ認定は、2026年3月時点で24件にのぼる。キューバ国外、しかも禁輸下の米国市場でこの数字は異例だ。次点はキャッチーなフックで知られるWampi(ワンピ)、そして2024年にマイアミで銃撃され急逝し、国民的な追悼を集めたEl Taiger(エル・タイガー)が続く。一方で、伝統音楽のティンバやソン・クバーノは文化遺産として今も生き続けている。
自国アーティストの人気曲
海外アーティストの人気曲
世代・地域・経済による違い
若者やバリオ(下町)の住民はレパルト一色だ。独特のキューバ風スペイン語スラングと踊り方で、マイアミ経由で入ってくるプエルトリコ系のレゲトンとは一線を画す。上の世代は、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブに代表されるソンやボレーロ、そして90年代を象徴したティンバの名バンド――ロス・バン・バン、NGラ・バンダ――を聴き継いでいる。アメリカ合衆国の経済制裁で正規のストリーミングは使いにくく、流通の主役は今も「パケテ」――週替わりで更新され、手渡しで出回る音楽・動画の詰め合わせデータだ。プエルトリコやドミニカ共和国からのレゲトンも入ってくるが、地元では、外来のレゲトンに対するキューバ独自の答えがレパルトだと受け止められている。
