ラテン・トラップ
2010年代中盤プエルトリコで成立した、Atlanta TrapにReggaetonの感覚を導入したスペイン語Hip Hop。
まずはここから
ひとことで言うと2010年代中盤プエルトリコで成立した、Atlanta TrapにReggaetonの感覚を導入したスペイン語Hip Hop。
まずはこの曲からAnuel AA — Hola Bebé ▶ YouTube
代表的な人Ozuna
どんな音か
ラテン・トラップの音は、アトランタ・トラップのプロダクション——ローランドTR-808のドラムマシン由来のスネア音、スローなハイハットの16分刻み、重くひずんだベース——を骨格に持ち、そこへレゲトンのデンボウ(ドドン・ドン)という2拍目と4拍目裏に入るリズムパターンが混入する。BPMは70〜90台が多く、体感的に「遅い」。ヴォーカルはスペイン語で、ラップ・パートはフロウが崩れた話し言葉に近いほどかっこいいとされる。ハモリやピッチ補正は透明感のある処理で、冷たくつや消しの音像を作る。コーラスの代わりにフックが繰り返され、曲全体が催眠的なループ感を持つ。
このジャンルを特徴づける代表的なリズムパターン。再生ボタンでループ再生し、下のリズム譜で今どの拍が鳴っているかを確認できます。
聴きどころ
「Soy Peor」(2017)のイントロで鳴る808ベースの低音がどれだけ部屋を揺らすか、スピーカーやイヤホンの低音再生能力を試す曲でもある。その上に乗るBad Bunnyのラップは音節を引き延ばしたり詰め込んだりしながら、旋律ではなくリズムで感情を表現する。Anuel AA「Real Hasta La Muerte」(2018)は囚人として収監中に録音されたアルバムで、声に緊張感がある。ハイハットが4分音符の間に3〜5回入る場合、そのパターンがどこで変化するかを追うとプロダクションの構造が見えてくる。
初めて聴くなら
夜に一人で聴くなら Bad Bunny「Soy Peor」。低音が効くイヤホンかスピーカーで、歌詞の意味より音の重さを先に体感してほしい。Anuel AA「Real Hasta La Muerte」は収監中のリアルさがアルバム全体に漂い、ラテン・トラップのアンダーグラウンド的な起点を感じられる。
代表アーティスト
- Ozuna
- Bad Bunny
- Anuel AA
代表曲
- Anuel AA — Hola Bebé (2017)
- Bad Bunny — Soy Peor (2017)
- Anuel AA — Real Hasta La Muerte (2018)
もっと見る(あと2件)
- Ozuna — Te Boté (2018)
- Ozuna — Te Boté Remix (2018)
生まれた背景
プエルトリコのサンフアンを拠点に2015〜2016年ごろ成立した。SoundCloud上でDJやプロデューサーがビートを無料公開し、Bad Bunny(バッド・バニー)やAnuel AA(アヌエル・エー・エー)がそこに乗ってラップをアップロードするという流れが最初期の形。
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アトランタのヤング・サグ、フューチャーといったアーティストのスタイルとプエルトリコのゲットー文化が直接接続した。2017年のBad Bunny「Soy Peor」がYouTubeで爆発的に拡散し、ジャンルとして名前が定着した。
音楽的特徴の詳細
楽器DAW、TR-808、Auto-Tune、サンプラー
リズム70-130 BPM、トリプレット・ハット、Dembow要素
発展
2018年Bad Bunny『X 100PRE』が世界的成功、Latin GrammyやBillboard Hot 100にも進出した。
出来事
- 2017: Bad Bunny『Soy Peor』 / 2018: 『X 100PRE』 / 2020: 『YHLQMDLG』
派生・影響
Trap、Reggaeton、Perreo。
日本との関係
豆知識
Bad Bunnyはトラック(荷物配送)のアルバイトをしながらSoundCloudに曲をアップし続けた期間があり、音楽で食べていける前の時期が実際に短かった。また「ラテン・トラップ」という呼称に対してBad Bunny本人は懐疑的で、「ただ音楽を作っているだけ」と語ったことがある。
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ジャンルの名前よりも先に音楽そのものが普及したという意味で、SNS時代のボトムアップな広がり方を象徴している。
影響・派生で結ばれたジャンル
系譜図を見る
感触が近い系譜も地域も違うのに、聴くと通じるジャンル
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