ラテン・トラップ
2010年代中盤プエルトリコで成立した、Atlanta TrapにReggaetonの感覚を導入したスペイン語Hip Hop。
どんな音か
生まれた背景
聴きどころ
「Soy Peor」(2017)のイントロで鳴る808ベースの低音がどれだけ部屋を揺らすか、スピーカーやイヤホンの低音再生能力を試す曲でもある。その上に乗るBad Bunnyのラップは音節を引き延ばしたり詰め込んだりしながら、旋律ではなくリズムで感情を表現する。Anuel AA「Real Hasta La Muerte」(2018)は囚人として収監中に録音されたアルバムで、声に緊張感がある。ハイハットが4分音符の間に3〜5回入る場合、そのパターンがどこで変化するかを追うとプロダクションの構造が見えてくる。
発展
2018年Bad Bunny『X 100PRE』が世界的成功、Latin GrammyやBillboard Hot 100にも進出した。
出来事
- 2017: Bad Bunny『Soy Peor』 / 2018: 『X 100PRE』 / 2020: 『YHLQMDLG』
派生・影響
Trap、Reggaeton、Perreo。
音楽的特徴
楽器DAW、TR-808、Auto-Tune、サンプラー
リズム70-130 BPM、トリプレット・ハット、Dembow要素
代表アーティスト
- Ozuna
- Bad Bunny
- Anuel AA
代表曲
- Soy Peor — Bad Bunny (2017)
Hola Bebé — Anuel AA (2017)
Real Hasta La Muerte — Anuel AA (2018)
Te Boté — Ozuna (2018)
Te Boté Remix — Ozuna (2018)
日本との関係
初めて聴くなら
夜に一人で聴くなら Bad Bunny「Soy Peor」。低音が効くイヤホンかスピーカーで、歌詞の意味より音の重さを先に体感してほしい。Anuel AA「Real Hasta La Muerte」は収監中のリアルさがアルバム全体に漂い、ラテン・トラップのアンダーグラウンド的な起点を感じられる。
豆知識
Bad Bunnyはトラック(荷物配送)のアルバイトをしながらSoundCloudに曲をアップし続けた期間があり、音楽で食べていける前の時期が実際に短かった。また「ラテン・トラップ」という呼称に対してBad Bunny本人は懐疑的で、「ただ音楽を作っているだけ」と語ったことがある。ジャンルの名前よりも先に音楽そのものが普及したという意味で、SNS時代のボトムアップな広がり方を象徴している。
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- ラテン・カリブペレオ
