エレクトロニック

スラッシュウェイヴ

Slushwave

オンライン / 国際 / 北米 · 2015年〜

別名: Broken Transmission

Vaporwaveをさらに引き伸ばし溶解させた、20-40分単位の長尺アンビエント亜種。

どんな音か

スラッシュウェイヴは、ヴェイパーウェイヴをさらに長く、遅く、溶けたアンビエントへ沈めた音楽。80年代的なシンセや都市の残響が、20分以上の霧のようなループになり、旋律は輪郭を失って漂う。2814の「新しい日の誕生」では、雨のネオン都市を遠くから眺めるような、甘い孤独が続く。

生まれた背景

2010年代半ば、ヴェイパーウェイヴの分派としてネット上で広がった。ショッピングモール、夜の都市、失われた未来、アジア都市の映像イメージが、長尺アンビエントの形式に溶け込む。t e l e p a t h テレパシー能力者や2814は、この夢のような時間感覚を代表する存在である。

聴きどころ

曲の展開を追うより、ループの中で音色がどれだけにじむかを聴く。ピッチは揺れ、リバーブは深く、シンセは遠くで光る。短いポップ曲のような起承転結は少ないが、長く流すほど、記憶の中の都市に沈む感覚が出る。

発展

Dream Catalogレーベルがハブとなり、サブ亜種(Atmospheric Vaporwave、Dreampunk)が派生。睡眠用音楽YouTubeチャンネルとも結合し、リスニング文化として独自圏を形成した。

出来事

  • 2015: 2814『新しい日の誕生』 / 2016: t e l e p a t h『仮想夢プラザ』

派生・影響

Dreampunk、Liminal Ambient、Mallsoftと近接。

音楽的特徴

楽器サンプラー、テープ、リバーブ

リズムテンポレス、長尺、ドローン的構造

代表アーティスト

  • 2814国際 · 2014年〜
  • t e l e p a t h テレパシー能力者アメリカ合衆国 · 2015年〜

代表曲

日本との関係

日本ではヴェイパーウェイヴシティポップ再評価、ネット発アンビエントの文脈で聴かれている。日本語や漢字を使ったタイトル、架空のアジア都市イメージが多く、日本のリスナーには親しみと違和感が同時にある。実際の日本文化というより、海外ネット上の幻想としての日本が反映される。

初めて聴くなら

入口は「新しい日の誕生 — 2814 (2015)」。アルバム全体で聴くと、都市の夜明けのような長い流れが分かる。より溶けた質感なら「仮想夢プラザ — t e l e p a t h テレパシー能力者 (2016)」。深い残響は「Rain Temple」もよい。

豆知識

スラッシュウェイヴのslushは、雪や氷が溶けたぬかるみのような質感を思わせる。ヴェイパーウェイヴの記憶が、さらに判別不能になるまで溶けた音楽と考えると分かりやすい。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図2010年代スラッシュウェイヴスラッシュウェイヴヴェイパーウェイヴヴェイパーウェイヴ凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
スラッシュウェイヴを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

国際 · 2015年前後 (±25年)

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