エレクトロニック

ハードヴェイパー

Hardvapor

オンライン / 国際 / 北米 · 2015年〜

Vaporwaveの脱政治的・退廃的傾向に対し、攻撃性とハードコア・テクノを再導入したアンチテーゼ的サブジャンル。

どんな音か

ハードヴェイパーは、ヴェイパーウェイヴの柔らかい懐古や消費社会の夢を、ハードコア・テクノ、インダストリアル、東欧的な荒廃感で反転させた音楽。ビートは硬く、シンセはざらつき、架空のポストソ連都市や地下クラブのイメージが強い。WosX周辺の作品では、ネット上の仮想シーンが攻撃的な音で作られている。

生まれた背景

2015年頃、ヴェイパーウェイヴ内部の停滞や柔らかすぎる美学への反動として現れた。Dream Catalogue周辺の文脈で語られ、架空の政治性、東欧・中央アジア風のイメージ、ハードなクラブ音楽が混ざった。実在の地域音楽というより、ネット上で構築された反ヴェイパーウェイヴ的なムードである。

聴きどころ

ヴェイパーウェイヴの遅いループを期待せず、硬いキックと荒いシンセの圧を聴く。音は粗く、映像的な世界観が強い。アルバムやコンピレーション単位で、架空の都市や政治運動のサウンドトラックのように聴くと入りやすい。

発展

WosXやSidewalks and Skeletonsのプロジェクト、後のWitch HouseやPhonkとの相互参照を経て、Dark Vaporwave全般の入り口となった。

出来事

  • 2015: Antifurレーベル設立期 / 2016: WosX関連作品

派生・影響

Witch House、Phonk、Industrial Technoとリンク。

音楽的特徴

楽器ディストーション、Gabberキック、サンプラー

リズム150-180 BPM、歪んだキック、ノイズテクスチャ

代表アーティスト

  • WosXアルゼンチン · 2015年〜

代表曲

日本との関係

日本ではヴェイパーウェイヴやネットレーベル文化を追う人に知られる程度で、一般的なクラブジャンルではない。日本語やアジア的イメージを使うヴェイパーウェイヴとは違い、ハードヴェイパーは旧東側風の荒い記号を多用するため、受け取られ方もかなりニッチである。

初めて聴くなら

入口は「ハードヴェイパー (Compilation) — WosX (2016)」。シーンの仮想的な空気がまとめて分かる。単曲的には「Synth Spirit — WosX (2015)」や「Hardware Crisis — WosX (2016)」で、硬いビートと荒廃したシンセの感触をつかみたい。

豆知識

ハードヴェイパーは、音楽だけでなく架空の宣言、地名、アートワークを含むネット上の世界制作でもあった。実体のある地域シーンというより、オンラインで生まれた反応速度の速い美学である。

影響・派生で結ばれたジャンル

ハードヴェイパーを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

ハードヴェイパー の系譜全体図(多段)を見る

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国際 · 2015年前後 (±25年)

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