マッシュアップ
2000年代初頭、複数の既存楽曲を重ねて再構築するDJ/プロデューサー文化。
まずはここから
ひとことで言うと2000年代初頭、複数の既存楽曲を重ねて再構築するDJ/プロデューサー文化。
まずはこの曲からThe Avalanches — Since I Left You ▶ YouTube
代表的な人The Avalanches
どんな音か
マッシュアップは二つ以上の既存楽曲を重ね合わせて一つの曲に仕立てる。最も一般的な手法は、あるポップ曲のアカペラ(ヴォーカルトラックだけ)と別の曲のインストゥルメンタル(演奏トラックだけ)を同じキーとテンポに揃えてミックスすること。うまくいくと、もとの二曲が全く違うジャンルであっても「最初からそう作られていた」ように聴こえる瞬間がある。Girl Talk(グリル・トーク)の「Feed the Animals」(2008)は一曲の中に300以上のサンプルが含まれているとされ、2〜4小節ごとに素材が入れ替わる。Danger Mouse「The Grey Album」(2004)はJay-Zのア・カペラ・アルバム「The Black Album」をビートルズ「ホワイト・アルバム」のサンプルの上に乗せた。
聴きどころ
Girl Talk「Feed the Animals」では曲のつなぎ目を聴き続けてほしい。素材が切り替わる瞬間、前の素材がまだ耳に残っているうちに次が入ってくる。この「残像の重なり」が曲を前に進める推進力になっている。Danger Mouse「The Grey Album」では、ビートルズのサンプルがどこから来ているか知っていると、認識と音の「ずれ」が面白い。知らなくてもヒップホップとして成立している。
初めて聴くなら
Danger Mouse「The Grey Album」は無料で入手できるグレーゾーンの作品だが、文化的背景が明確で入口として優れている。まずJay-Zの「Encore」版と、ビートルズの「Glass Onion」を別々に聴いてから、「The Grey Album」の同曲を聴くと、素材の使い方が見えてくる。Girl Talk は聴き流しながら「これ何の曲?」と調べる楽しみがある。
代表アーティスト
- The Avalanches
- Danger Mouse
- Girl Talk
代表曲
- The Avalanches — Since I Left You (2000)
- Danger Mouse — Encore (2004)
- Girl Talk — Feed the Animals (2008)
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Danger Mouse — The Grey Album (2004)
生まれた背景
2001年ごろ、デジタルオーディオワークステーション(DAW)が個人でも扱える価格になり、家庭のパソコンで高品質な音声編集ができるようになった。The Avalanches「Since I Left You」(2000)は約3,500枚のレコードからサンプルしたと報告されており、マッシュアップではなくサンプリングコラージュだが、既存音源を素材として再構築するという方向性でマッシュアップ文化と同時代にある。
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Danger Mouse「The Grey Album」(2004)はEMIから違法配布停止を求められたが、抗議運動「Grey Tuesday」が起き、一日で100万ダウンロードを超えた。著作権をめぐる論争がマッシュアップを社会問題として可視化した。
音楽的特徴の詳細
楽器DAW、サンプラー、ターンテーブル
リズム可変、複層サンプル
発展
2004年Danger Mouse『The Grey Album』が著作権論争を巻き起こし、2008年Girl Talk『Feed the Animals』で頂点を迎えた。
出来事
- 2001: Soulwax『2 Many DJs』 / 2004: 『The Grey Album』 / 2008: Girl Talk『Feed the Animals』
派生・影響
Plunderphonics、Bootleg、Vaporwave。
日本との関係
豆知識
「The Grey Album」の「Grey」はJay-Zの「The Black Album」とビートルズの「White Album」を混ぜると灰色になる、というシンプルな論理から来ている。アメリカ合衆国では著作権法上の「フェアユース」の範囲をめぐる議論が今も続いており、マッシュアップの法的地位は国・地域によって異なる。
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日本では著作権者の許諾なしの商業使用は明確に違法だが、非商業的なネット公開の扱いは曖昧な部分が残る。
影響・派生で結ばれたジャンル
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感触が近い系譜も地域も違うのに、聴くと通じるジャンル
マッシュアップが好きな人は、この6つも刺さる可能性が高いです。系譜図には出てこない、意外な隣人たち。
