エレクトロニック

ダブステップ

Dubstep

ロンドン / イギリス / 西ヨーロッパ · 2002年〜

2000年代初頭のロンドンで成立した、低重心のサブベースとシンコペートしたリズムを特徴とする電子音楽。

どんな音か

BPM 138〜142(中庸)、特徴的な「ハーフタイム」感(ドラムが半分の速度に聞こえる)、深い低音(サブベース)、シンコペーションの効いた2&4のスネア。シンセ・ベースが「ウォブル(揺れ)」とよばれる音色のうねりを発生させ、これが楽曲の中心になる。ヴォーカルは少なく、女性ヴォーカルがフレーズで挿入される程度。録音はクラブの大型サブウーファーで再生されることを前提に、人間の可聴域ぎりぎりの低音を強調する。

生まれた背景

2000年代前半の南ロンドン(クロイドン)。UKガラージダブを下敷きに、Skream、ベンガ、Distance、Loefah、Coki、Mala(Digital Mystikz)らが「FWD>>」というクラブイベントで実験を重ねた。2006年頃にBurialのアルバムが世界的に話題となり、2010年代前半にアメリカ合衆国でSkrillexが「ブロステップ(brostep)」(より攻撃的でメロディアスな派生)を大ヒットさせて、EDMの主流ジャンルになった。2020年代以降はクラシックなUKダブステップとブロステップが住み分けて続いている。

聴きどころ

「ドロップ」と呼ばれる、ベースが落ちる瞬間。曲の前半で緊張を貯めて、ドロップで一気に解放する構造。ウォブル・ベースの「ぶおぉぉぉ」という揺れが、音量に応じてどう体に響くかは、スマートフォンのスピーカーでは半分も伝わらない。サブベースは耳というより腹で感じる音域。

代表アーティスト

  • Bengaイギリス · 2002年〜
  • Chase & Statusイギリス · 2003年〜
  • Skreamイギリス · 2003年〜
  • Skrillexアメリカ合衆国 · 2004年〜
  • Burialイギリス · 2005年〜
  • Joy Orbisonイギリス · 2009年〜

代表曲

日本との関係

日本ではEDMブームの一環として2010年代前半に広まり、Skrillex(2012年TBSサミット出演)、特にSkrillex+砂原良徳のような実験的コラボもあった。Boris、Boom Boom Satellites、Pa's Lam System、TAARなど、ダブステップ寄りの音響を取り入れた日本人プロデューサーもいる。

初めて聴くなら

クラシックなUKダブステップなら、Burial『Untrue』(2007)。EDM寄りなら、Skrillex『Bangarang』(2011)。途中型の代表は、Magnetic Man『I Need Air』(2010)。日本人なら、SUNGA『Reactor』。

豆知識

ダブステップ」の語源は「Dub」と「2-step」(UKガラージのリズム名)を組み合わせたもの。最初に名前を付けたのはDJ Hatcha(2002年頃)とされる。Burialの正体は長く謎に包まれていたが、本人(William Bevan)は2008年にウェブ上で身元を明かした。彼は今もスタジオを持たず、自宅でラップトップだけで制作している。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1970年代1990年代2000年代2010年代ダブステップダブステップダブダブUKガラージUKガラージUKベースUKベースフューチャー・ベースフューチャー・ベース凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ダブステップを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

イギリス · 2002年前後 (±25年)

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