ダブステップ
2000年代初頭のロンドンで成立した、低重心のサブベースとシンコペートしたリズムを特徴とする電子音楽。
まずはここから
ひとことで言うと2000年代初頭のロンドンで成立した、低重心のサブベースとシンコペートしたリズムを特徴とする電子音楽。
まずはこの曲からSkream — Midnight Request Line ▶ YouTube
代表的な人Benga
どんな音か
BPMは140前後(おおむね138〜142)。ダンス音楽としては中速だが、体感はずっと遅い。普通のダンス音楽がスネア(タンッと鳴る乾いた太鼓の音)を2拍目と4拍目に置くのに対し、ダブステップは重いスネアを3拍目だけに落とす。これがドラムを半分の速度に感じさせる仕組みで、「ハーフタイム」と呼ばれる骨格になっている。中心になるのはシンセでつくる低音(シンセ・ベース)だ。この低音の音色を周期的に揺らし、「ウォブル(うねり)」と呼ばれる独特のゆらぎを生むのが、このジャンルの顔になっている。ドラムは数を絞り、ダブ由来の質感をまとう。あえての無音(打音と打音のあいだの間)、長く尾を引く残響、そして2ステップ由来の跳ねたノリが、低音だけでは出せない奥行きを生む。ヴォーカルは少なく、短いフレーズが断片的に差し込まれる程度。こうした曲はクラブの大型サブウーファーで鳴らすことを前提につくられる。だから低音域がとくに強調され、耳で聞くというより体で感じる音になる。
このジャンルを特徴づける代表的なリズムパターン。再生ボタンでループ再生し、下のリズム譜で今どの拍が鳴っているかを確認できます。
聴きどころ
まず「ハーフタイム」を確かめたい。140BPMのダンス曲なのに、手拍子してみると1小節に強いスネアが1発しか来ない。次に「ドロップ」と呼ばれる、ベースが落ちる瞬間。曲の前半で緊張を溜めて、ドロップで一気に解放する構造だ。ウォブル・ベースのうねるような低音は、音量を上げるほど体に響く。サブベースは耳ではなく腹で感じる音域で、スマートフォンのスピーカーでは魅力が半分も伝わらない。
初めて聴くなら
まずアルバム全体で空気感を味わうなら、Burial『Untrue』(2007)。一曲で派手な落差を体感するなら、Skrillex『Bangarang』(2011)。その中間を埋めるのが、Magnetic Man『I Need Air』(2010, シングル)。UKの正統派からEDM寄りまでを一望できる三作だ。ここまでは英米。日本のシーンを覗くなら、SUNGA『Reactor』を。
代表アーティスト
- Benga
- Chase & Status
- Skream
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- Nero
- Skrillex
- Burial
- Excision
- Joy Orbison
- Zomboy
代表曲
- Skream — Midnight Request Line (2005)
- Chase & Status — Eastern Jam (2008)
- Benga — Night (2008)
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- Joy Orbison — Hyph Mngo (2009)
- Skrillex — Scary Monsters and Nice Sprites (2010)
生まれた背景
その後の代表曲
- Skrillex — Bangarang (2011)
- Nero — Promises (2011)
- Excision — X Rated (2012)
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- Zomboy — Delirium (2013)
日本との関係
豆知識
「ダブステップ」の語源は「Dub」と「2-step」(UKガラージのリズム名)を組み合わせたもの。dubと2-stepを核とするこの音を、ひとつのジャンルとして名づけたとされるのが、レーベル Tempa/Ammunition Promotions の Neil Jolliffe だ。
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Sarah Lockhart や Oris Jay らとの会話のなかで生まれた呼び名と言われ、ライターの Martin Clark が2002年に米誌 XLR8R に書いた記事で広まった(DJ Hatcha は命名者ではなく初期の代表的なDJ)。一方、覆面で活動したBurialの正体は長く謎に包まれていたが、本人(William Bevan)は2008年にウェブ上で身元を明かした。本人いわく、今もスタジオを持たず、自宅でラップトップだけで制作しているという。
影響・派生で結ばれたジャンル
系譜図を見る
感触が近い系譜も地域も違うのに、聴くと通じるジャンル
ダブステップが好きな人は、この6つも刺さる可能性が高いです。系譜図には出てこない、意外な隣人たち。
