エレクトロニック

フォークトロニカ

Folktronica

イギリス / ヨーロッパ西部 · 2001年〜

2000年代初頭にFour Tet、Tunng、Beth Ortonらが確立した、アコースティック楽器とエレクトロニック・ビート/グリッチの融合体。

どんな音か

アコースティック・ギター、バイオリン、ピアノといった楽器の生音に、デジタル・ビートやグリッチ処理を重ねる。テンポは不規則で、8 ビート、 16 ビート、時には拍子そのものが曖昧に。ボーカルはいない場合が多く、楽器同士の『会話』が焦点。フォークの温かさとエレクトロニクスの冷たさが意図的に共存している。

生まれた背景

2001年前後、イギリスのインディ・エレクトロニクス・シーンで Four Tet(Kieran Hebden)が『 Pause 』をリリース。同時期に Tunng が北東部のノーフォークで、田舎の音を電子加工する実験を開始。『ポスト・ロック的な壮大さは不要。フォークと電子音の小さな摩擦を拡大する』というムーヴメント。Beth Orton のような既存フォーク系シンガーも実験に参加し、 2005 年までに一つのカテゴリーとして認識された。

聴きどころ

アコースティック楽器の『痕跡』を、デジタル処理がどう変形させるかを追う。例えば Four Tet『She Moves She』では、ギターのディレイが微小なアルペジオを何度も複写。Tunng『Plastic People』の弦楽は、サンプリングと生音の区別が曖昧に設計されている。その区別のつかなさを楽しむ感覚が必要。

音楽的特徴

楽器アコースティック・ギター、サンプラー、ラップトップ、ハープ

リズム中速、グリッチ・ビート、自由な構成

代表アーティスト

  • Four Tetイギリス · 1998年〜
  • Tunngイギリス · 2004年〜

代表曲

日本との関係

日本には直接的な『folktronica シーン』は生まれなかったが、 2000年代の電子音楽作家の一部(例:Cornelius)が同じ時期に似た実験をしており、相互参照はあった。

初めて聴くなら

Four Tet『Hands』(2003) は 3 分で完結し、アコースティック・ピアノとデジタル・ノイズの関係が明確。Tunng『Sun Drums and Soil』(2005) で環境音的な広がりを体験。

豆知識

フォークトロニカという言葉は Four Tet と Tunng の支持者たちが、ブログや音楽サイトで非公式に作った造語。公式なジャンル名ではなく、ボトムアップで定着した。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1940年代2000年代フォークトロニカフォークトロニカフォークフォーク凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
フォークトロニカを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

イギリス · 2001年前後 (±25年)

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