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ロック・メタル

コロンビア・ロック

Colombian Rock

ボゴタ/メデジン / コロンビア / 南米 · 1980年〜

別名: Rock colombiano

1980-90年代ボゴタ発、Aterciopelados / Kraken / Ekhymosisが確立したロック・エン・エスパニョール。

どんな音か

コロンビア・ロックは、1980年代のボゴタとメデジンで、英米ロックの語彙をスペイン語詩と地元のリズム(クンビアバジェナートサルサ)に接続することで成立した。初期はハードロック/メタル(Kraken、Ekhymosis)と、パンク/オルタナ寄りのボゴタ・シーン(1280 Almas、Aterciopelados)の二極があり、1990年代中盤にAterciopelados『ボレーロ・ラティーノ Falaz』(1995)がラテン・アメリカ合衆国全域で受容されるとコロンビアロックの国際市場が開いた。Juanes(Ekhymosis出身)の2000年『Fíjate Bien』以降、ロックポップバジェナートの折衷型が輸出モデルになった。共通項があるとすればリズム土台の柔軟性で、標準的な4/4のロックの上に6/8のバジェナートや2/4のクンビアが平気で混ざる。

生まれた背景

1980年代前半、メデジンでKraken(1984結成、エリキン・ラミレス率いる)がスペインヘヴィメタルを確立し、続いてEkhymosis(1988結成、当時Juan Esteban Aristizábalが在籍)がメタルから徐々にラテン混合ロックへ移行した。ボゴタ側では1990年結成のAterciopelados(アンドレア・エチェベリ&エクトール・ブイトラゴ)がパンクとボレロを混ぜたシニカルな歌詞と、女性シンガーの前面化で90年代ラテン・オルタナの旗手になった。1995年のMTVラテンの開局とロラパルーサ経由の露出が、この世代のシーンを国境の外に押し出す決定打となった。

聴きどころ

Aterciopeladosのアンドレア・エチェベリの歌唱に耳を澄ませてほしい。彼女は西洋クラシック的な清潔さを意図的に避け、鼻から抜けるような荒い高音で歌う。これはメキシコアルゼンチンの女性ロック歌手にはない、コロンビア独自の様式で、シャキラの初期作品にも同じ痕跡がある。Krakenの『Rey Sol』を聴くと、標準的なパワーメタル進行の下でカハ・バジェナータの粘りのある低音が微かに鳴っており、これが「コロンビア人がスペイン語で叫ぶメタル」の音色的な特徴になっている。JuanesはBメロで意図的にクンビアの2/4に切り替える曲構成を多用する。

発展

Juanesの2000年ソロデビュー以降、コロンビア・ロックはロック単独よりも「ロック+ラテン」の輸出型として成熟した。2010年代以降はBomba Estéreoやシケィンビィ・グループ(Systema Solar)、Monsieur Perinéなど、エレクトロやクンビアやジャズを混ぜた次世代が「Latin Alternative」の呼称で国外に届いている。

出来事

  • 1984: Kraken結成
  • 1988: Ekhymosis結成
  • 1995: Aterciopelados『El Dorado』
  • 2000: Juanes『Fíjate Bien』ソロデビュー
  • 2004: Juanes『La Camisa Negra』世界的ヒット

派生・影響

Latin Alternative、Bomba Estéreo系のエレクトロ・クンビア、レゲトン・コロンビアーノの前史。

音楽的特徴

楽器エレキギター、ベース、ドラム、キーボード、ボーカル、時にアコーディオンやガイタ

リズム標準ロック4/4に、クンビアの2/4や6/8のバジェナート/バンブーコ拍を混入

代表アーティスト

  • Krakenコロンビア · 1984年〜2017
  • Ekhymosisコロンビア · 1988年〜2000
  • Aterciopeladosコロンビア · 1990年〜
  • ChocQuibTownコロンビア · 2000年〜
  • Juanesコロンビア · 2000年〜

代表曲・古典

代表曲・現在

日本との関係

日本での認知は、2004年のJuanes『La Camisa Negra』が突出しており、この曲は日本の音楽番組でも短期間だが取り上げられラテン・ポップの入り口として機能した。それ以前のAterciopelados、Kraken、Ekhymosisはほぼ知られておらず、ChocQuibTownはワールドミュージック層の一部で認知されている程度だ。近年はShakiraがコロンビア出身であることの認識拡大に伴い、彼女の初期のロック寄り作品を経由してコロンビア・ロックへ辿り着くリスナーが少数ながら生まれている。国内でスペインロックを演奏するグループはほぼ存在しない。

初めて聴くなら

最初はJuanes『La Camisa Negra』(2004)、これは日本人にも馴染みのあるコロンビア・ロックの代表曲だ。次にAterciopelados『ボレーロ・ラティーノ Falaz』(1995)、パンクとボレロが同居する90年代ラテン・オルタナの決定盤の一曲で、アルバム『El Dorado』全体を聴くと女性ロックの新しい可能性が体感できる。Kraken『Rey Sol』でメデジン産スペイン語メタルの体温を確認する。ChocQuibTown『Somos Pacífico』(2007)は太平洋岸黒人音楽の現代化として別軸のコロンビア・ロックの姿を示す。

豆知識

Juanesの本名はホアン・エステバン・アリスティサバル・バスケスで、ステージ名『Juanes』は本名のJuanと兄弟のEsteban-Nicolás-Saúlの頭文字を合わせた造語だ。彼はLatin Grammyを26度受賞しており、これはラテン音楽史上最多である。Aterciopeladosのアンドレア・エチェベリはコロンビアの環境保護運動の中心人物としても知られ、パチャママの女神を主題にした作品を継続的に発表している。ChocQuibTownは3人組の一人ゴヨが2010年に妊娠中のままステージに立ち続けたことでラテン音楽の女性表象の議論を巻き起こした。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1850年代1880年代1960年代1980年代コロンビア・ロックコロンビア・ロッククンビアクンビアバジェナートバジェナートロックロック凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
コロンビア・ロックを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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