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ラテン・カリブ

クンビア

Cumbia

コロンビア / 南米 · 1850年〜

コロンビアのカリブ海岸で成立し、ラテンアメリカ全域に広まった民俗ダンス音楽。

まずはここから

ひとことで言うとコロンビアのカリブ海岸で成立し、ラテンアメリカ全域に広まった民俗ダンス音楽。

まずはこの曲からLa Cumbia Cienaguera ▶ YouTube

代表的な人Los Gaiteros de San Jacinto

どんな音か

1・2、1・2と数える2拍子(2/4)を土台に、ゆったりめのテンポ(BPM80〜100前後)で進むダンス音楽だ。アコーディオンと太鼓(タンボール・アレグレなど数種)が屋台骨で、そこへガイタ(先住民族の縦笛)やガチャラカ(竹をこすって鳴らす打楽器)が絡む。低音(ベース)は低い2つの音を行ったり来たりして、ゆらゆらと揺れる土台をつくる。拍子のちょうど真上ではなく、少しずらした位置に強い音(アクセント)を置くシンコペーションが、独特の腰の重さを生む。歌い手は男女どちらもおり、一人が歌うと皆で応える掛け合い(コール&レスポンス)形式が多い。歌詞はスペイン語で、テーマは恋、ダンス、土地への愛着が中心だ。

このジャンルを特徴づける代表的なリズムパターン。再生ボタンでループ再生し、下のリズム譜で今どの拍が鳴っているかを確認できます。

クンビア · 90 BPM

聴きどころ

クンビアを聴く時は「土地ごとにまったく別の音楽」であることを最初に押さえてほしい。コロンビア本家(Alejo Duránのアコーディオン・クンビア、Los Gaiteros de San Jacintoのガイタ・クンビア)は2/4のゆったりしたテンポで、太鼓とアコーディオンが主役だ。ペルー(チチャ)ではサーフ・ロックのエレキギターが混入して、テンポが100-115BPMに上がる。メキシコクンビア・ソニデーラ(Sonora Dinamitaやそのメキシコ支部)はより速く、シンセの低音とDJのMC(sonidero)の話し声が入る。アルゼンチンクンビア・ビジェーラ(Damas Gratisら1990年代末)は最も速く、貧民街の政治的歌詞を伴う。チリクンビア・チレナは中間で、ブラス編成の甘美なメロディが特徴だ。

初めて聴くなら

クンビアの入り口はまずコロンビア本家から。Alejo Durán『Alicia Adorada』でアコーディオン主導の伝統的な音を、Los Gaiteros de San Jacinto『Fuego de クンビア』でガイタ(縦笛)主導の最古の形を体感する。次にペルーのLos Mirlos『La Danza de los Mirlos』でチチャの電化を、チリのLa Sonora Palacios『Un Año Más』でブラス編成の甘美さを確認する。メキシコならSonora Dinamita『Que Nadie Sepa Mi Sufrir』、アルゼンチンならDamas Gratis『Se Te Ve la Tanga』でクンビア・ビジェーラを聴くと、同じ2/4リズムが土地ごとに完全に別の音楽に成っていることが理解できる。

代表アーティスト

  • Los Gaiteros de San Jacintoコロンビア · 1954年〜
  • Los Ángeles Azulesメキシコ · 1976年〜
  • Celso Piñaメキシコ · 1980年〜2019
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  • Carlos Vivesコロンビア · 1986年〜

代表曲

生まれた背景

植民地期(諸説あり)のコロンビア・カリブ海岸で、アフリカ系奴隷の太鼓、先住民族の笛、スペイン系の歌が混ざって生まれたとされる。19世紀末から20世紀前半に「クンビア」として形が整い、1940〜50年代にはビッグバンド編成のクンビア・モデルナが、Lucho Bermúdezらの活躍でバランキージャやボゴタから全国へ広がった(普及にはレコード産業の中心地メデジンも一役買った)。

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やがて国境を越え、最も劇的に化けたのがペルーだ。1960年代末にエレキギターをクンビアへ持ち込んだLos Destellosを皮切りに、1970年代のLos Mirlosらがサーフ調の歪んだギターと混ぜ合わせ、「クンビア・アマソニカ(チチャ)」を生んだ。ほかにも1950〜60年代に定着したメキシコ、1990年代以降のアルゼンチン(クンビア・ビジェラ)と、伝わった先々で別ジャンルへと枝分かれしていった。

その後の代表曲

日本との関係

日本でのクンビア認知は歴史的に薄かったが、2010年代のチチャ再発ブーム(Los MirlosのBarbes Records経由の日本盤流通、渋谷/下北沢のレコード店での平積み)を経て、ワールドミュージック好きの間で確固たる位置を占めるようになった。日本発のクンビア・カバー・バンドとしてはクンビア OrquestaやTokyo クンビア Clubなどが2010年代以降に活動しており、東京、京都、大阪で年数回のライブが行われている。Bomba Estéreo(コロンビア)、Chico Trujillo(チリ)、Baretoは日本ツアーの実績を持ち、日本のフェス(フジロック、SUMMER SONIC)へのクンビア系出演も2010年代に定着した。

豆知識

クンビア」の語源はアフリカのバンツー語族の「cumbé」(踊りの意)から来ているとされ、コロンビアのカリブ海岸で16-17世紀にアフリカ系奴隷が伝えたリズムが起源とされる。ペルーチチャは「Amazonian cumbia」とも呼ばれ、1970年代のプカルパ(石油ブーム都市)から生まれた特殊な形態だ。

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アルゼンチンクンビア・ビジェーラは1990年代のIMF危機と関連して爆発的に流行し、貧民街の政治的アイデンティティ表現になった。メキシコクンビア・ソニデーラは、ソニデロ(DJのMC)の話し声を録音に混入させるという世界的にも稀有な音楽形式で、モンテレイやプエブラのソニデロ大会は数万人を集める。

影響・派生で結ばれたジャンル

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クンビアを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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感触が近い系譜も地域も違うのに、聴くと通じるジャンル

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