WorldMusic

アルゼンチン

Argentina

中南米・カリブ

アルゼンチンは「Trap argentino」(トラップ・アルヘンティーノ)と、地元生まれのクラブ音楽RKT(エレ・ケ・テ)の一大拠点だ。なかでもプロデューサー、Bizarrapの「BZRP Music Sessions」は、アルゼンチンの音楽が世界へ出ていくための最大の入り口になっている。彼のYouTubeチャンネルにゲスト出演しただけで中南米全域のヒットが生まれる——そんな例も珍しくない。看板スターは、トラップの先駆者Duki、新世代を象徴するラッパーTrueno、そしてポップスへと活動の場を広げたTiniとMaría Becerraといった顔ぶれだ。もうひとつの柱RKTは、ブエノスアイレス首都圏のクラブで生まれた。土台にあるのは、貧しい地区で育ったダンス音楽「クンビア・ビジェーラ」——中南米で広く愛されるクンビアの、下町版だ。既存のヒット曲をサンプリングしてつなぎ直し、レゲトン風の歌い回し(フロウ)を重ねる。それが、安いスピーカーでも腹に来る重さで夜の街を鳴らしている。首都が夜のトラップなら、内陸は昼の祝祭——コルドバ生まれのダンス音楽「クアルテート」(Q' Lokura など)が、結婚式やクラブを陽気に沸かせながら地方で再び盛り上がっている。

自国アーティストの人気曲

海外アーティストの人気曲

世代・地域・経済による違い

ブエノスアイレス首都圏のZ世代は、ほぼトラップ・アルヘンティーノ一色だ。国を代表するスターの多くは、ブエノスアイレスのフリースタイル・バトル(Parque RivadaviaのEl Quinto Escalónなど、即興でラップを競い合う路上の場)から頭角を現してきた。新顔も次々に登場しており、たとえばMilo JはYouTubeのコレクティブBajoWest発で十代のうちにブレイクした。地方に目を移すと、コルドバ州などではクアルテートが昔から根強く、結婚式やパーティー、地元ラジオで流れ続けている。40代以上にとってロック・ナシオナル(Soda ビルマ・ポップ、Charly García、Fito Páezら)は、軍事政権が終わった1983年前後と結びつく思い出の音楽だ。タンゴは観光産業や一部の愛好家クラブのなかに残るものの、日常的に聴く音楽ではなくなっている。

参考資料

- CAPIF Ranking: https://site.capif.org.ar/ranking - Billboard Argentina Hot 100: https://www.billboard.com/charts/billboard-argentina-hot-100/