ヒップホップ・R&B

ブルックリン・ドリル

Brooklyn Drill

ニューヨーク / アメリカ / 北米 · 2018年〜

2018年頃にPop Smoke、Sheff G、Sleepy Hallowらが確立した、UKドリルのスライドベースをニューヨーク的グルーヴに置き換えたドリル。

どんな音か

ニューヨーク・ブルックリン発のドリル系ヒップホップ。BPM 140〜150(ハーフタイムで70〜75)。シンセ・ベース、シンセ・ストリングス、暗いマイナーキーの旋律、トリプレット・ハイハット、シンコペートしたスネア(UKドリル譲り)。ヴォーカルは英語、ニューヨーク訛り、半分囁き半分ラップの暗い語り口。歌詞は英語、テーマはストリート暴力、ギャング抗争、ナイフ、銃、警察、ブルックリンの貧困。録音は重低音と冷たい質感が前面、ヴォーカルは中央でドライ。

生まれた背景

2018年頃のニューヨーク・ブルックリン、Pop Smoke(本名Bashar Jackson)とプロデューサー808Melo(英国出身)が、UKドリルの語法を米国南部トラップと融合した「ブルックリン・ドリル」を作った。Pop Smoke『Welcome to the Party』(2019)、『Dior』(2019)が世界規模で大ヒット。Fivio Foreign、Sheff G、22Gz、Sleepy Hallow、Calboyらが続いて成功。2020年2月、Pop Smokeが20歳でロサンゼルスで強盗殺害され、シーンは大きな衝撃を受けたが、現在もニューヨークの主要ヒップホップ・サウンドとして続いている。

聴きどころ

UKドリル譲りのスライド・ベース(音程が滑るシンセ・ベース)。シンセ・ストリングスのホラー映画的な暗いマイナーキー。ハイハットのトリプレット(16分音符の3連符)。Pop Smokeのヴォーカルは独特の低音域、語りに近い静かな脅威感。808Meloのプロデュースは、UKドリルとUS南部トラップの両方を兼ね備えた折衷的サウンド。

音楽的特徴

楽器ドラムマシン、シンセ、808ベース

リズム140BPMハーフタイム、UKドリル系スライド・ベース

代表アーティスト

  • Sheff Gアメリカ合衆国 · 2017年〜
  • Sleepy Hallowアメリカ合衆国 · 2017年〜
  • Pop Smokeアメリカ合衆国 · 2018年〜2020

代表曲

日本との関係

BAD HOP、JP THE WAVY、Tohjiなど、日本ヒップホップ・アーティストはブルックリン・ドリルの語法を直接取り入れた楽曲を発表している。Pop Smokeの来日公演は実現しなかった(2020年2月に殺害された)。

初めて聴くなら

1曲だけ聴くなら、Pop Smoke『Welcome to the Party』(2019)。ブルックリン・ドリルの代表的1曲。Pop Smoke『Dior』(2019)、『Got It on Me』(2020、遺作)、Fivio Foreign『Big Drip』(2019)も外せない。

豆知識

Pop Smokeは2020年2月19日、ロサンゼルスのハリウッド・ヒルズの賃貸住宅で強盗集団により射殺された(20歳)。彼は前日にInstagramのストーリーで自宅の住所が分かるシーンを誤って投稿してしまったことが、強盗を呼び込んだ直接の原因とされる。プロデューサー808MeloはUKドリル出身で、Pop Smokeと組んだことでブルックリン・ドリルが成立した。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図2010年代2020年代ブルックリン・ドリルブルックリン・ドリルUKドリルUKドリルジャージー・ドリルジャージー・ドリル凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ブルックリン・ドリルを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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アメリカ · 2018年前後 (±25年)

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