エレクトロニック

シジルコア

Sigilkore

アメリカ / 北米 · 2020年〜

別名: sxgilcore

2020年代初頭のネット・ラップ周辺から現れた、レイジ系トラップ、ハイパーポップ、歪んだミックスを高速で接続するサブジャンル。

どんな音か

シジルコアは、音が狭い画面の中で過密に光る。808ベースは割れ気味で、キックは硬く、シンセはゲームの警告音のように鋭い。ボーカルは高く加工されることも、ざらついた叫びに近づくこともあり、歌詞を落ち着いて追うより、声がビートに刺さる瞬間を浴びる音楽に近い。曲は短く、展開も急で、トラップの重さとハイパーポップの過剰な色彩が同じ画面に詰め込まれる。

生まれた背景

2020年前後、SoundCloud、ディスコrd、TikTokなどの小さなネット圏で、レイジ系トラップやdigicore、ハイパーポップの周辺から生まれた。FUNERALやKaiiのような名前は、巨大な商業シーンより、オンラインで曲を投げ合う速度感の中で聴かれてきた。ジャンル名の輪郭はまだ流動的で、アーティスト本人のタグ付け、ファンの呼び方、プレイリスト文化が混ざっている。

聴きどころ

最初は音量を少し控えめにして、シンセの歪みと808の沈み方を分けて聴くとよい。声が聞き取りにくい曲でも、フロウがキックの直前に乗るのか、スネアの後ろへ滑るのかで身体の揺れ方が変わる。曲の短さも特徴で、2分未満の中にイントロ、ドロップ、突然の終わりが詰め込まれている。

音楽的特徴

楽器ソフトシンセ、ピッチシフトされたボーカル、ドラムマシン

リズム150-170BPM、歪んだドラム、極端なオートチューン

代表アーティスト

  • FUNERALアメリカ合衆国 · 2020年〜
  • Kaiiアメリカ合衆国 · 2020年〜

代表曲

日本との関係

日本では大規模な商業シーンとしてより、SoundCloudやTikTokで海外のネット・ラップを追うリスナーの間に届いた。ボカロ以後の高い声の加工、インターネット・ミーム、ゲーム的な電子音に慣れた耳には接点がある。ただし日本のジャンル名として定着しているわけではなく、digicoreやhyperpopと一緒に語られることが多い。

初めて聴くなら

入口には「Wassup — Kaii (2021)」が向いている。さらに荒い質感を聴くなら「Brutal — FUNERAL (2022)」、まとまった空気を知るなら「FUNERAL EP — FUNERAL (2021)」。低音の圧より、声とシンセがどれだけ近い距離でぶつかるかを聴くとつかみやすい。

豆知識

Sigilは魔術記号や印章を指す英語でもあり、シジルコアという呼び名にはネット上の暗号めいたイメージが乗っている。音楽的には新しいタグなので、同じ名前で検索しても、ラップ寄り、ハイパーポップ寄り、ノイズ寄りの曲が混ざって出てくる。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図2010年代2020年代シジルコアシジルコアハイパーポップハイパーポップレイジ・ラップレイジ・ラップ凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
シジルコアを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

アメリカ · 2020年前後 (±25年)

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