カナダ
Canada
北米
カナダは、二つの音楽市場が一つの国に同居している。英語圏のチャート(Billboard Canadian Hot 100)はアメリカ合衆国をそのまま映した鏡で、フランス語圏ケベックはまったくの別世界だ。英語圏チャートの動きはアメリカ合衆国とほぼ連動する。カントリー歌手エラ・ラングリーの『Choosin' Texas』は、2026年春にアメリカ合衆国のBillboard Hot 100で通算10週首位を記録した大ヒット曲で、カナダでも4月から5月にかけて何度も首位に立った。カナダ出身のスターも世界規模で活躍しており——ラップのドレイク、R&Bのザ・ウィークエンド、ポップのジャスティン・ビーバーとテイト・マクレー——彼らは母国のチャートでもトップ5の常連だ。一方、フランス語圏ケベック州では仏語専用のチャートが別に動いている。英語曲も仏語曲も歌うモントリオール出身のシャルロット・カルダンや、地元のラッパーたちがそこでは主役だ。
自国アーティストの人気曲
- Hotline Bling — Drake · 2015
Drakeの代表曲。トロント発、世界をリードするヒップホップアーティストとしての立場を確固たるものにした。
- Blinding Lights — The Weeknd · 2019
The Weekndの世界的ヒット、80年代シンセ風。Spotify史上最多ストリーム曲(一時期)。
海外アーティストの人気曲
世代・地域・経済による違い
英語圏(オンタリオ州やブリティッシュコロンビア州)で聴かれる音楽はアメリカ合衆国とほぼ同じで、カントリー、ヒップホップ、ポップが中心だ。仏語圏ケベックは独自の生態系で、仏語のシャンソン(ケベック独自の歌の伝統)や、Loud、FouKiといったケベックを代表するラッパーたちが独自のシーンを築いている。先住民(ファースト・ネーションズやイヌイット)の音楽には政府の手厚い支援があり、商業チャートに顔を出すことは少ないが、カナダの音楽の多様性を語るうえで欠かせない層だ。そんな中、国外へ安定して輸出される数少ないカナダ独自の音は、トロントでドレイクを中心に育ったR&B/ラップだ。アメリカ合衆国にも、大西洋を越えたヨーロッパにも届いている。
