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ラテン・カリブ

レゲトン・コロンビアーノ

Colombian Reggaetón

メデジン / コロンビア / 南米 · 2009年〜

別名: Reggaetón medellinense / Medellín reggaetón

2010年代メデジンを世界最大のレゲトン輸出拠点に押し上げた、J Balvin / Karol G / Feid / Malumaの世代。

どんな音か

コロンビアレゲトンは、プエルトリコ発のレゲトン(2000年代前半の『Gasolina』世代)のデンボウ2/4リズム(『Dem Bow』サンプルの派生型)を土台に、コロンビアの旋律感覚(バジェナートの流麗さ、サルサの間、クンビアの重心の低さ)を加えたスタイルを指す。中心地はメデジン、拠点レーベルは1997年設立のUniversal Music Latin コロンビアと、2015年設立のWK Records(Feid本人のレーベル)で、この二つのインフラが2015年以降のグローバル・ポップの新標準を作った。テンポは90-95BPMのデンボウ2/4が基本、時にトラップレゲトン(70-80BPM)へ減速する。

生まれた背景

J Balvin(本名ホセ・オソリオ、1985-)は2004年から地元でミックステープを重ね、2013年『Ay Vamos』のバズと2014年『6 AM』(Farruko参加)でメインストリーム化した。2017年『Mi Gente』(Willy William共作、Beyoncéリミックスあり)は世界44億回再生を突破し、コロンビアン・ポップの国際化を確定させた。Karol G(1991-)は2017年『Ahora Me Llama』でシーンに登場、2019年『Tusa』(Nicki Minaj参加)で世界最大の女性ラテン・アーティストの地位を固めた。2020年代前半はFeidとMalumaがこの世代を引き継ぎ、メデジンを世界最大のレゲトン輸出拠点として確定させた。

聴きどころ

J Balvinの『Mi Gente』(2017)のイントロに耳を澄ませてほしい。Willy Williamのハウス寄りのシンセ・ループが4小節鳴った後、デンボウ2/4のドラムが割り込む瞬間に、コロンビアレゲトンの音色的特徴が確定する。それは「重い低音」と「軽いギター」の対比で、プエルトリコ発の初期レゲトンより中音域が明らかに軽い。Karol Gの『Tusa』のイントロも同じ構造で、ピアノ・ループの上にデンボウ2/4が乗り、彼女の歌唱がその上を流れる。歌詞は基本的にスペイン語で、恋、パーティー、フェミニズム、階級というテーマが繰り返される。

発展

2020年代前半はFeid(1992-、旧名Ferxxo)がクラブ寄りの低音重視レゲトンで頭角を現し、2023年『Yandel 150』でスペイン語圏最大級のヒットに。Maluma(1994-)はより歌謡的なポップ・レゲトンで女性リスナー層を独占した。この世代の共通項はビジュアル戦略で、Instagram/TikTokに最適化された色彩とMV演出が音楽と同じ重みを持つ。

出来事

  • 2013: J Balvin『Ay Vamos』
  • 2017: J Balvin『Mi Gente』世界的ヒット
  • 2018: J Balvin『Vibras』
  • 2019: Karol G『Tusa』
  • 2023: Feid『Yandel 150』

派生・影響

Latin Urbano全体の中核、Bad Bunnyら他国レゲトンへの相互影響、K-popとのクロスオーバー(Karol G × BLACKPINK, 2023)。

音楽的特徴

楽器サンプラー、シンセ、ドラム・マシン、ボーカル、時にアコーディオン(バジェナート引用)

リズムデンボウ2/4(90-95BPM)、時にトラップ・レゲトン(70-80BPM)へ減速、女性コーラスのサンプル・ループ

代表アーティスト

  • Feidコロンビア · 2010年〜
  • Malumaコロンビア · 2010年〜

代表曲・現在

日本との関係

日本でのレゲトン・コロンビアーノは、Bad Bunny以降のラテン・アーバンの一部として2020年前後から急速に認知度が上がった。J Balvinの『Mi Gente』(2017)、Karol Gの『Tusa』(2019)、Maluma『Hawái』(2020)などはSpotify 日本でもチャート入りし、若年層の一部で聴かれている。決定打はKarol GとBLACKPINK(具体的にはJennieやRosé)のコラボ関連の話題で、2023年前後に日本K-popファンダムがKarol Gを「ラテン・レゲトンの女王」として認知する流れが生まれた。ライブ的にはJ Balvinの2019年サマーソニック出演がある。

初めて聴くなら

最初はJ Balvin『Mi Gente』(2017)、これはコロンビアレゲトンの国際的な決定曲で、44億回再生の理由が音として体感できる。次にKarol G『Tusa』(2019、Nicki Minaj参加)、女性側の代表曲として同時代の最強盤の一つだ。Feid『Yandel 150』(2023)、Maluma『Felices los 4』(2017)、そしてMaluma『Hawái』(2020)を続けて聴くと、2010年代後半から2020年代前半のコロンビアレゲトンの進化の流れが理解できる。夜のドライブ、あるいはヘッドホンで低音を強調する再生環境が向いている。

豆知識

J Balvin『Mi Gente』のBeyoncé参加リミックス(2017)は、ハリケーン・マリアで被災したプエルトリコとカリブ諸国への寄付を目的にした慈善リミックスで、収益全額が現地の復興に寄付された。Karol Gの本名はCarolina Giraldo Naviaで、ステージ名『Karol G』はSpotify以前のiTunes時代に検索性を上げるための短縮形だった。Feidは自身のレーベルWK Recordsからリリースしており、『Ferxxo』は彼自身のオルターエゴ名義でアルバム・シリーズ『Ferxxo』の題として使われている。緑と黒のビジュアル・ブランディングは徹底したセルフ・プロデュース戦略の一部だ。Malumaは俳優としても活動しており、2022年のジェニファー・ロペス主演映画『Marry Me』に出演している。

影響・派生で結ばれたジャンル

レゲトン・コロンビアーノを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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