マスコア
1990年代に Hardcore Punk と Math Rock の構造的複雑さを融合したサブジャンル。
どんな音か
ハードコア・パンクの攻撃性と、複雑な数学的拍子構造(変則拍子、ポリリズム、計算された無規則性)が融合。ギターは歪み、ノイズ。ドラムは通常の拍子を拒否。ボーカルは叫ぶ。全体的に『完璧に計算された混沌』という矛盾。
生まれた背景
1990年代中盤、The Dillinger Escape Plan(ニューヨーク)が確立。数学的複雑性を追求する傾向は、プログレッシブ・ロック、アヴァンガルド・クラシックの影響もあり。
聴きどころ
一度ドラムのパターンを追い始めると、ハマる。ギターが『意味ある音』と『ノイズ』の間を揺らいでいる。ボーカルは『メッセージ』というより『音響現象』。計算されているはずなのに『壊れている』という感覚。
発展
2000年代以降、Djent や Progressive Metal と境界を共有しながら独自の極限性を保持。
出来事
- 1999: DEP『Calculating Infinity』 / 2001: Converge『Jane Doe』
派生・影響
Hardcore Punk、Math Rock、Djent、Grindcore。
音楽的特徴
楽器歪みギター、ベース、ドラム、シャウト声
リズム極端な変拍子、極高速、不協和音
代表アーティスト
- Converge
- The Dillinger Escape Plan
代表曲
- 43% Burnt — The Dillinger Escape Plan (1999)
- Concubine — Converge (2001)
- Sunshine the Werewolf — The Dillinger Escape Plan (2002)
- Eagles Become Vultures — Converge (2004)
- Setting Fire to Sleeping Giants — The Dillinger Escape Plan (2004)
- Last Light — Converge (2006)
日本との関係
日本では相当なニッチ。ただし、数学や物理学を専攻する大学生の間では、『うちらの思考をビジュアル化した音楽』として親密性がある可能性。メジャー・ポップスファンには完全に未知。
初めて聴くなら
The Dillinger Escape Plan『43% Burnt』で、拍子の複雑さに耳を奪われること。Converge『Concubine』で、音響的な破壊性を。初心者は2分で終わる。
豆知識
マスコア プロデューサーは『拍子譜を見ながら作曲』することが多い。つまり『紙上の記譜法』から『音』への転換過程で、複雑さが生まれる。スコアとパフォーマンスの乖離が、美学の中心。
