ミッドウェスト・エモ
1990年代中西部米国で成立した、Math RockとEmoを融合したサブジャンル。
どんな音か
ミッドウェスト・エモは、歪んだ壁で押すロックというより、きらきらしたアルペジオ、変則的な拍、少し頼りない歌で胸の奥を刺す音楽。American Footballの「Never Meant」では、ギターが会話のように絡み、ドラムは急がず、声は大きく泣き叫ばない。青春の終わり、郊外の夜、言いそびれた一言が、乾いた録音の中に残る。
生まれた背景
聴きどころ
まずギターのチューニングと絡み方を聴くとよい。コードをかき鳴らすより、二本のギターが別々の線を弾き、隙間に寂しさを作る。歌は技巧的ではないが、その不安定さが曲の感情に合っている。ドラムの変則的な入りも、揺れる会話のように聴こえる。
発展
1999年American Football『American Football』が伝説的作品となり、2010年代以降「Emo Revival」(World is a Beautiful Place、Modern Baseball)を生んだ。
出来事
- 1995: Mineral『The Power of Failing』 / 1999: American Football『American Football』 / 2014: World is a Beautiful Place『Harmlessness』
派生・影響
Math Rock、Emo、Indie Rock、Emo Revival。
音楽的特徴
楽器クリーンギター、ベース、ドラム、トランペット、声
リズム可変、変拍子、アルペジオ・ギター
代表アーティスト
- Mineral
- American Football
代表曲
- &Serenading — Mineral (1995)
- Parking Lot — Mineral (1995)
- Never Meant — American Football (1999)
- Stay Home — American Football (1999)
Honest Question — American Football (1999)
日本との関係
初めて聴くなら
入口は「Never Meant — American Football (1999)」。ジャンルの空気が最も分かりやすい。より切実な歌を聴くなら「Parking Lot — Mineral (1995)」。American Footballをアルバムの流れで聴くなら「Stay Home」や「Honest Question」も続けたい。
豆知識
ミッドウェスト・エモは地域名を含むが、今では音の質感を指す言葉として世界中で使われる。変則チューニング、細い声、青春の後悔というセットが、インターネット以後に再発見され、ミーム化もした。
