マイクロサウンド
Curtis Roadsの著作タイトルにも由来する、極小時間スケールの音響粒子を組成する電子音響音楽。
どんな音か
マイクロサウンドは、非常に短い音の粒を組み合わせて作る電子音響音楽。クリック一つ、数ミリ秒のノイズ、細かい粒状の音が集まり、砂の雲や光のちらつきのような質感になる。Alva Notoは硬い信号音を精密に並べ、池田亮司はデータの点滅のような高音と低音で聴覚を研ぎ澄ませる。
生まれた背景
1990年代後半、コンピュータで音を細かく切り刻み、粒子として扱う制作が現実的になったことで注目された。Curtis Roadsの研究や著作は、この分野の理論的な支えになった。クラブのビートよりも、音の最小単位、時間の解像度、デジタル処理の粒立ちに関心が向く。
聴きどころ
大きな旋律ではなく、音の粒の密度を聴く。粒がまばらなら点描のように、密集すると雲のように聴こえる。ヘッドホンで小さめの音から始めると、高音の鋭さや低音の短い圧がつかみやすい。静かな部分にも情報が多い。
発展
12k、Lineレーベルなどがリリース面で重要な拠点となり、現代音響芸術全般に影響。
出来事
- 2001: Curtis Roads『Microsound』(MIT Press) / 2002: Steve Roden『Forms of Paper』
派生・影響
Lowercase、Glitch、Sound Art。
音楽的特徴
楽器Max/MSP、SuperCollider、Granularシンセ
リズムテンポレス、粒子的構造
代表アーティスト
- Curtis Roads
- Kim Cascone
- 池田亮司
- Alva Noto
- Richard Chartier
代表曲
- Transrapid — Alva Noto (2003)
+/- — 池田亮司 (1996)
Cathode — Kim Cascone (2000)
Dataplex — 池田亮司 (2005)
Xerrox Vol. 1 — Alva Noto (2007)
日本との関係
日本では池田亮司の作品を通じて、音楽、美術、数学的な視覚表現を横断するものとして知られる。ギャラリーやメディアアートの場で体験することも多く、クラブミュージックというよりインスタレーションに近い聴かれ方もある。
初めて聴くなら
精密な電子音としては「Transrapid — Alva Noto (2003)」。データ的な切れ味なら「Dataplex — 池田亮司 (2005)」。より理論的な粒の感覚に興味があればCurtis Roadsの作品へ進むとよい。
豆知識
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- ジャズニュー・ジャズ
- ロック・メタルDSBM(うつ病的自殺ブラックメタル)
- エレクトロニックブレイクコア
- ロック・メタルポストロック
- エレクトロニックチップチューン
- ロック・メタルテクニカル・デスメタル
- エレクトロニックマッシュアップ
- ロック・メタルジェント
