DSBM(うつ病的自殺ブラックメタル)
Black Metalを陰鬱・絶望志向に特化させた、2000年代以降のサブジャンル。
どんな音か
DSBMは、ブラックメタルの冷たいギター、かすれた叫び、ローファイな音像を、抑うつや自己破壊的なテーマへ特化させたサブジャンル。テンポは速いだけでなく、葬送のように遅く沈むこともある。Xasthurの録音では、ギターが霧の壁になり、声は人間の輪郭を失った叫びとして奥に埋もれる。
生まれた背景
聴きどころ
音質の悪さを欠点としてだけ聴かず、閉じた部屋の空気として捉えるとよい。ギターのリフは輪郭が溶け、ドラムは遠く、声は言葉より痛みの質感になる。長い反復の中で少しずつ沈んでいく感覚が中心だ。
発展
ローファイ録音と長尺曲が定型。Bandcamp/カセット文化と結合。
出来事
- 2000: Silencer『Death - Pierce Me』 / 2006: Xasthur『Subliminal Genocide』
派生・影響
Atmospheric Black Metal、Drone、Funeral Doom。
音楽的特徴
楽器歪みギター、ドラムマシン、シャウト声
リズム中遅-高速、長尺、絶望的トレモロ
代表アーティスト
- Xasthur
代表曲
- A Gate Through Bloodstained Mirrors — Xasthur (2002)
- Telepathic with the Deceased — Xasthur (2004)
- Suicide in Dark Serenity — Xasthur (2005)
- Subliminal Genocide — Xasthur (2006)
To Violate the Oblivious — Xasthur (2004)
日本との関係
初めて聴くなら
入口は「Telepathic with the Deceased — Xasthur (2004)」。DSBMの閉塞感が分かりやすい。より重い録音として「Subliminal Genocide — Xasthur (2006)」。初期の暗い質感は「A Gate Through Bloodstained Mirrors — Xasthur (2002)」で聴ける。
豆知識
DSBMという名称は非常に強い言葉を含むため、単なる雰囲気ジャンルとして軽く扱いにくい。音楽的には、ブラックメタルの荒さを内面の孤立へ向けた表現として聴くと理解しやすい。
