ヒップホップ・R&B

アフロ・トラップ

Afro Trap

パリ / フランス / 西ヨーロッパ · 2015年〜

フランスのMHDが定式化した、Afrobeatsとフレンチ・トラップを融合したサブジャンル。

どんな音か

ハイハット の粒状な細かさとアフロビーツのパーカッションが絡み合い、その下に808ベースが太く鳴る。BPMは90台~110台で、Trap特有の『遅さ』とアフロビーツの『跳ねるリズム感』が同居。ラップのデリバリーはフレンチ・トラップの鋭さとアフリカン系話者の語呂の良さが混在し、歌詞の内容もフランス的街頭感覚とアフリカ大陸への文化的参照が交錯している。

生まれた背景

MHDがパリのフレンチ・トラップシーンとアフロビーツを意識的に融合させ、2015年の『アフロ・トラップ Pt. 3』で型を作った。MHDはコートジボワール系の移民背景を持ち、フランスの多民族社会とアフリカの音楽のつながりを身体に持っていた。この時期、Wizkid、Davido等のナイジェリアアフロビーツがグローバル化し始めており、MHDの着眼はその流れに先行していた。

聴きどころ

アフロ・トラップ Pt. 3』の反復的なベースラインと、その上での『浮遊感のあるラップ』の相互作用。特にドラムプログラムでのアフリカン・パーカッション(タンバリン、コンガのようなサウンド)がTrapビートの背後で『揺らぎ』を生み出す部分に注目。

発展

2018年以降、フランス/ベルギー/オランダ/UKのアーバンシーンで定着し、欧州の Afro Pop 全般に影響。

出来事

  • 2015: MHD『Afro Trap Pt. 3』 / 2016: MHD『MHD』

派生・影響

Afrobeats、Trap、Drill。

音楽的特徴

楽器DAW、TR-808、Afroパーカッション、Auto-Tune

リズム100-120 BPM、Afroビート、Trap 808

代表アーティスト

  • MHDフランス · 2015年〜

代表曲

日本との関係

日本では大きな流行にはならなかった。フレンチトラップ自体が日本市場では周辺的であり、アフロ・トラップはさらに認知度が低い。ただしストリーミングサービスのアルゴリズムを通じて、アフロビーツ好きなリスナーには間接的に届いている。

初めて聴くなら

アフロ・トラップ Pt. 3 — MHD』と『AFRO TRAP Part. 7 (La Puissance) — MHD』を順に。フレンチラップとアフロパーカッションの『ぶつかり方』が分かりやすい。

豆知識

MHDの『アフロ・トラップ』シリーズはシリーズ化が意識的で、Part 1, 2, 3…と番号が振られている。これはヒップホップの『リミックス文化』をアフロビーツ時代に応用した試みだと言える。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図2000年代2010年代アフロ・トラップアフロ・トラップアフロビーツアフロビーツトラップトラップ凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
アフロ・トラップを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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フランス · 2015年前後 (±25年)

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