フレンチコア
フランス発のハードコア・テクノ。ガバよりさらに速いBPM(180〜220台)に、シンコペートしたキックと歪んだシンセを組み合わせた様式。
どんな音か
BPMは180から速いものは220を超える。ガバ(ガバー)が四つ打ちのキックを原則とするのに対し、フレンチコアの最大の特徴はキックのシンコペーション——強拍の直前か直後に入る「ズラし」が連続することで、足元がぐらつくような浮遊感と加速感が同時に生まれる。音質はざらついていて、シンセは歪みと共鳴を強調するために意図的に低品質に聞こえるよう処理されていることが多い。メロディラインは短いフレーズをループさせるか、逆にまったく存在しない曲も珍しくない。ボーカルサンプルは叫び声やフランス語のセリフが断片的に挿入される程度で、「歌」を主役にしない。フロアで聴くと、体感速度がBPM数字より速く感じる——それがこのジャンルの音響的な仕掛けのひとつ。
生まれた背景
フレンチコアが成立した1990年代末、フランスのアンダーグラウンドハードコアシーンはオランダやベルギーからのガバ文化を吸収しつつ、独自の方向性を模索していた。パリやリヨンのレイヴ会場では、より速く、よりアグレッシブなサウンドへの需要が高まり、DJたちはBPMをさらに引き上げ、ビートパターンに変形を加え始めた。フレンチコアという呼称が定着したのは2000年代以降で、Dr. Peacockのようなアーティストがリリースをはじめる2010年代に入ってから国際的な認知を得た。オランダのハードコアシーンとの交流が深く、「フレンチ」を名乗りながらオランダのレーベルやフェスと結びついているアーティストが多い。
聴きどころ
発展
2010年代Peacock RecordsやNeophyte Recordsが国際展開、Defqon.1にも組み込まれた。
出来事
- 2014: Dr. Peacock『Trip to France』 / 2018: Sefa活動拡大
派生・影響
Hardcore Techno、Tribecore。
音楽的特徴
楽器DAW、ディストーション・キック、シンセ
リズム200-220 BPM、シンコペ・キック
代表アーティスト
- Dr. Peacock
代表曲
- Frenchcore Worldwide — Dr. Peacock (2016)
- Trip to France — Dr. Peacock (2014)
- Trip to Holland — Dr. Peacock (2015)
Hardcore Vibes — Dr. Peacock (2018)
Frenchcore Bringer — Dr. Peacock (2014)
日本との関係
初めて聴くなら
豆知識
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- エレクトロニックサチュレーション楽派
- エレクトロニックフレンチタッチ
- ロック・メタルブラックゲイズ
- エレクトロニックシンセウェイヴ
- エレクトロニックハーシュ・ノイズ・ウォール
- ヒップホップ・R&Bフランス語ラップ
- エレクトロニックダークシンセ
- ヒップホップ・R&Bアフロ・トラップ
