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フィンランド

Finland

北欧・東欧

世界に売れたのはメタル、いま国内で売れるのは自国語ラップ——この10年で、海外向けの音楽と国内で聴かれる音楽が完全に逆転した。フィンランドのTop 20はおよそ8割がフィンランド語で、自国語曲の比率は欧州の主要市場のなかでも特に高い部類だ。上位を占めるのは新世代のフィンランド語ラップとポップ・ラップで、SNSで火がついた女性ポップ歌手Mirella——内省的な歌詞をバラード調で聴かせる——を筆頭に、ラップやR&B寄りのLauri Haav、Samuellらがチャート上位を分け合う。TikTok発の新顔が次々と割り込み、チャートの入れ替わりは欧州の基準でも異例に速い。かつて世界的に知られたフィンランドのメタル/ゴシックメタル(Nightwish、HIM)は、もうシングルチャートには現れない。足下で売れているのは自国語ラップであり、かつての名前はライブ収益と旧譜に存在感を残すのみだ。

自国アーティストの人気曲

海外アーティストの人気曲

世代・地域・経済による違い

Z世代が聴くのはほぼフィンランド語ラップで、自国語比率はチャート全体よりさらに高い。中高年層が好むのは、ドイツ語圏由来の大衆歌謡シュラーガーだ。その流れを汲むのが、フィンランド語による情緒的な歌謡曲イスケルマである。北部サーミ・コミュニティのヨイク(伝統歌唱)は文化遺産として保存・支援されているが、商業チャートには乗らない。国土が広い割に、地方とヘルシンキで音楽の好みに大きな差はない。だから一つのヒットが全国一斉に広がる。

参考資料

- IFPI Finland: https://www.ifpi.fi/lista/viikkolista/singlet