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ポップ

イスケルマ

Iskelmä

ヘルシンキ / フィンランド / 北欧 · 1950年〜

別名: Finnish schlager / Finnish tango

哀愁を帯びた旋律と「フィンランド・タンゴ」で知られる、フィンランドの大衆歌謡。

どんな音か

イスケルマは、ドイツ語圏のシュラーガーに由来するフィンランドの大衆歌謡だ。短調の哀愁あるメロディとしっとりした歌唱、踊りやすいリズムが特徴で、とりわけ独自に発展した「フィンランド・タンゴ」が有名。アルゼンチン・タンゴより内省的で物悲しく、北国の自然や別れ、郷愁を歌う歌詞と相まって暗く甘い情緒をたたえる。

生まれた背景

20世紀前半、ヨーロッパのシュラーガータンゴフィンランドに入り、現地の短調の民謡感覚と結びついて独自の歌謡として根づいた。1940〜60年代に各地のダンス・パビリオン(夏の野外ダンス会場)で生演奏され、レコードとラジオを通じて国民的娯楽となった。

聴きどころ

アルゼンチン・タンゴとの違い、つまり短調の比重の高さとメランコリックさに注目したい。アコーディオンや弦楽器の哀愁ある響き、そして抑えた歌唱が織りなす「北国の物悲しさ」がイスケルマの核心だ。

発展

オラヴィ・ヴィルタが戦後の「タンゴ王」として黄金時代を築き、カトリ・ヘレナら後続の歌手がポップ寄りに様式を更新した。毎夏開かれるタンゴ祭り(セイナヨキのタンゴマルキナット)は今も国民的行事である。

出来事

  • 1955年: オラヴィ・ヴィルタの「Hopeinen Kuu」が代表曲となる。
  • 1970年代: カトリ・ヘレナの「Puhelinlangat Laulaa」がヒットする。
  • 1985年: フィンランド・タンゴの祭典タンゴマルキナットがセイナヨキで始まる。

派生・影響

現代のフィンランド・ポップやヘヴィメタルにも、この短調の哀愁ある旋律感覚は受け継がれているとよく指摘される。

音楽的特徴

楽器アコーディオン、管弦楽、ギター、ピアノ、ストリングス

リズムフィンランド・タンゴ特有のメランコリックな2拍子、ワルツ、ハンバ(フォックストロット系)

代表アーティスト

  • Olavi Virtaフィンランド · 1939年〜1972
  • Katri Helenaフィンランド · 1963年〜

代表曲

日本との関係

短調で哀愁に満ちた旋律と、別れや郷愁を歌う詞は、日本演歌歌謡曲と非常に近い情緒を持つ。フィンランド・タンゴは「フィンランド演歌」と紹介されることもあり、演歌好きには驚くほど馴染む。

初めて聴くなら

タンゴ王」オラヴィ・ヴィルタの「Hopeinen Kuu」が、フィンランド・タンゴの哀愁と豊かな声を一度に伝える標準形で入りやすい。

豆知識

フィンランドでは毎夏、セイナヨキで「タンゴマルキナット」というタンゴ祭りが開かれ、その年の「タンゴ王・女王」が選ばれる。タンゴは国民的アイデンティティの一部になっている。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1950年代イスケルマイスケルマシュラーガーシュラーガー凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
イスケルマを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

イスケルマ の系譜全体図(多段)を見る

同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

フィンランド · 1950年前後 (±25年)