ソヴィエト・エストラーダ
1960-80年代のソ連で国家テレビと巡演文化に支えられた変奏舞台歌謡。プガチョワ、マゴマエフ、コブゾンらの独唱スター音楽。
どんな音か
生まれた背景
聴きどころ
発展
1980年代にはプガチョワが『ミリオン・アルィフ・ロズ(百万本のバラ)』(1982、ラトビアのライモンズ・パウルス作曲、原詩はアンドレイ・ヴォズネセンスキー)で頂点を刻み、この曲は日本でも加藤登紀子のカバー(1987)で広く知られるようになった。ソ連崩壊(1991)以降、エストラーダは新しい世代のポップ(ポスト・ソヴィエト・ロシア・ポップ)に流路を譲るが、コブゾンとプガチョワは2000年代までテレビの主役を続けた。プガチョワは2022年のウクライナ侵攻に公然と反対、2023年に「外国エージェント」指定を受けて事実上イスラエルへ亡命した。
出来事
- 1975: プガチョワ『アルレキーノ』ソポト金賞
- 1982: プガチョワ『百万本のバラ』
- 1988: マゴマエフ実質的引退
- 1991: ソ連崩壊、エストラーダ制度の解体
- 2022-23: プガチョワ反戦声明、外国エージェント指定
派生・影響
戦前のソヴィエト大衆歌から派生し、1990年代以降のポスト・ソヴィエト・ロシア・ポップ(フィリップ・キルコロフ、アルスー、ディマ・ビラン)へ直接繋がる。中央アジア諸国の同時代エストラーダ(カザフ、ウズベク)にも影響を残した。
音楽的特徴
楽器独唱ボーカル、バラエティ楽団(弦、金管、木管、ドラム、ピアノ)、時にアコーディオン、シンセ
リズム60-120BPM、歌謡曲の4/4、時にワルツ3/4、抒情バラードの自由リズム、独唱者の即興的タメが要
代表アーティスト
- Edita Piekha
- Iosif Kobzon
- Anna German
- Muslim Magomayev
- Alla Pugacheva
- Sofia Rotaru
代表曲・古典
Nash Sosed — Edita Piekha (1966)
Ekipazh Odna Semya — Muslim Magomayev (1968)
Sinyaya Vechnost — Muslim Magomayev (1969)
Nadezhda — Anna German (1973)
Arlekino — Alla Pugacheva (1975)
Den Pobedy — Iosif Kobzon (1975)
Ekho Lyubvi — Anna German (1977)
Million Alykh Roz — Alla Pugacheva (1982)
Ayshe — Alla Pugacheva (1985)
Lavanda — Sofia Rotaru (1985)
Pozovi menya s soboy — Alla Pugacheva (1996)
日本との関係
初めて聴くなら
豆知識
プガチョワは2022年9月、ウクライナ侵攻に公然と反対する声明をInstagramに投稿し、翌2023年に「外国エージェント」指定を受けた。彼女はイスラエルとキプロスに拠点を移したが、ロシア国内での彼女の楽曲のラジオ放送は続いている。1994年の彼女とフィリップ・キルコロフ(18歳下)の結婚は「ソヴィエト・エストラーダのディーヴァと若手プリンス」の連合として国民的関心事となり、2005年の離婚まで11年続いた。イオシフ・コブゾンは1990年代以降、連邦議会下院議員を長く務め、ショービジネスと政治の交差点にいた稀有な人物で、2018年の彼の国葬にはプーチンが出席した。
