ラテン・カリブ

ソン・クバーノ

Son Cubano

キューバ / カリブ海 · 1900年〜

20世紀初頭のキューバで成立した、アフリカとスペインの音楽要素を融合した代表的ダンス音楽。

どんな音か

キューバ東部オリエンテ州発祥の伝統音楽。BPM 90〜130。トレス(キューバ独自の3コース弦のギター)、ボンゴ(2連の手太鼓)、マラカス、クラベス(2本の硬い木の棒、リズムの基準)、コントラバス、トランペット時々、男声ヴォーカル(リード+コーラス)。リズムは「クラーベ」(2小節の基本パターン)が支配し、全楽器がこれに合わせる。歌は「ソネオ」(リード歌手の即興)とコロ(合唱の繰り返し)の掛け合い。歌詞はスペイン語、テーマは恋愛、ハバナの街、政治、ストリート。

生まれた背景

19世紀末のキューバ東部オリエンテ州(現サンティアゴ・デ・クーバ周辺)の農村で、スペイン系のギター歌謡とアフリカ系のリズム感覚が融合して成立。20世紀前半にハバナに移って都市化、1920〜30年代にSeptetoとSextetoという小編成で全国的に流行。1940〜50年代のArsenio Rodríguez、Beny Moré、Sonora Matanceraが世界化し、ニューヨークに伝わってラテン・ジャズ、サルサの直接の母体になった。1959年のキューバ革命後、海外ツアーが制限され国際的存在感は一時減退したが、1997年のRy Cooder『Buena Vista Social Club』(1996)で世界的に再発見された。

聴きどころ

「クラーベ」リズム(2-3または3-2、2小節で「タッ・タッ・タッ/タッ・タッ」)を意識して聴く。これがソンの基準で、全楽器がこれに合わせる。トレス・ギターの細かいフレージング(2弦が3コース、計6弦)。ボンゴとコンガの絡み。「モントゥーノ」(後半の速い高揚部)に入る瞬間の変化。

代表アーティスト

  • Compay Segundoキューバ · 1934年〜2003
  • Celia Cruzキューバ · 1947年〜2003
  • Ibrahim Ferrerキューバ · 1953年〜2005
  • Buena Vista Social Clubキューバ · 1996年〜2016

代表曲

日本との関係

Buena Vista Social Club(1997年映画、1996年アルバム)が日本でも大ヒットし、ソン・クバーノへの関心が一気に高まった。東京・大阪のラテン・ダンス・コミュニティでは定番。Lisa Ono、Sergio Mendes周辺の演奏家も ソン・クバーノを取り上げる。

初めて聴くなら

1枚だけ聴くなら、Buena Vista Social Club『Buena Vista Social Club』(1997)。ソン・クバーノの世界的代表。古典なら、Beny Moré『La Colección Cubana』、Arsenio Rodríguez『Quindembo: Afro-Magic』。

豆知識

Buena Vista Social Club(1997)は、アメリカ合衆国ライ・クーダーがキューバの忘れられた名歌手たちを集めて録音したアルバム。Ibrahim Ferrer(70代でデビュー)、Compay Segundo(90歳)、Rubén Gonzálezら、当時の高齢ミュージシャンの最後の輝きを記録した、20世紀末の最も重要なワールドミュージック作品の一つ。Wim Wendersのドキュメンタリー映画版も同年公開された。

影響・派生で結ばれたジャンル

ソン・クバーノを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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