カッワーリー
南アジアのスーフィー的礼拝歌。長尺で恍惚へ高まる構成が特徴。
どんな音か
生まれた背景
13世紀デリーのスーフィー詩人アミール・フスローが、ペルシアとインドの音楽伝統を結びつけたのが起点とされる。長くスーフィー教団内部の儀礼音楽だったが、1970年代後半にヌスラット・ファテー・アリー・ハーンがコンサート用にアレンジを整え、1980〜90年代に世界的なワールドミュージック・ブームに乗って国際的に広まった。彼の死後(1997)も甥のラハト・ファテー・アリー・ハーンらが伝統を継いでいる。
聴きどころ
曲の冒頭3〜5分は静かなハーモニウムの導入とリード歌手の探り合いで、まだ拍がはっきりしない。タブラが入ってから手拍子が加わり、リード歌手と合唱の掛け合いが始まる。同じ詩のフレーズを少しずつ装飾を変えながら何度も繰り返すうちに、聴き手の感覚が変わっていく長さがあるので、途中で止めず最後まで聴くことが鍵。
代表アーティスト
- Sabri Brothers
- Nusrat Fateh Ali Khan
- Abida Parveen
- Rahat Fateh Ali Khan
- アムジャド・サブリー
代表曲
- Bhar Do Jholi Meri — Sabri Brothers (1975)
- Tajdar-e-Haram — Sabri Brothers (1980)
- Allah Hoo Allah Hoo — Nusrat Fateh Ali Khan (1985)
- Mast Qalandar — Nusrat Fateh Ali Khan (1989)
- Afreen Afreen — Rahat Fateh Ali Khan (1996)
日本との関係
ヌスラットは1990年代に来日公演を行い、坂本龍一が『The Last Temple』(1995)で共演している。ピーター・ガブリエルのRealWorldレーベル経由で日本にも紹介され、世界音楽ファンの間で一定の支持を得ている。一般的な認知は薄いが、廃墟系YouTubeチャンネルやチルアウト・プレイリストで再発見される動きはある。
初めて聴くなら
1曲だけ聴くなら、ヌスラット・ファテー・アリー・ハーン『Allah Hoo Allah Hoo』。30分かけてテンポが上がっていく構造の典型。短く入りたいなら『Mast Mast(Dam Mast Qalandar Mast Mast)』(1990)。Massive Attackがリミックスしたバージョンも有名。
