ニャック・ハイゴアイ
1975年以降の在外ベトナム人音楽産業。亡命先でニャック・ヴァンを保存。
どんな音か
生まれた背景
1975年のサイゴン陥落後、アメリカ合衆国カリフォルニアのリトル・サイゴンなどに逃れた難民が作り上げた音楽産業。Thúy Nga社の『ニャック・ハイゴアイ』やAsia Entertainmentが大規模なビデオショーを制作し、本国で抹消された南の音楽遺産を亡命社会の文化的支柱として守った。
聴きどころ
同じ曲が本国の古い録音とどう違うかを聴き比べると面白い。亡命社会の郷愁が、豪華な舞台演出とベテランの歌唱を通じてどう表現されるかに注目したい。
発展
1980年代以降、トゥアン・ヴーやニュー・クインら新旧の歌手を擁してビデオ市場で隆盛し、本国にも海賊版を通じて逆輸入された。インターネット時代以降は本国V-popとの境界も薄れている。
出来事
- 1975年: サイゴン陥落、難民の海外脱出。
- 1983年: 『Paris By Night』シリーズ開始(諸説あり)。
- 1990年代: ビデオショーが世界のベトナム人社会で隆盛。
派生・影響
現代V-popへの人材・レパートリー供給源。
音楽的特徴
楽器シンセサイザー、エレキギター、ドラムマシン、ボーカル
リズム80-90年代ポップ風の華麗なアレンジ、ボレロやバラードの継承
代表アーティスト
- Tuấn Vũ
- Như Quỳnh
代表曲
- Giọt Lệ Đài Trang — Tuấn Vũ (1985)
- Người Tình Mùa Đông — Như Quỳnh (1994)
日本との関係
在日ベトナム人コミュニティでも『ニャック・ハイゴアイ』のDVDは長く親しまれてきた。移民の郷愁を娯楽産業が支えるという構図は、日系移民社会の歌謡文化とも通じる。
初めて聴くなら
ニュー・クイン『Người Tình Mùa Đông(冬の恋人)』(1994)が、90年代の在外ポップの代表曲。
豆知識
『ニャック・ハイゴアイ』はその名の通りパリで始まったが、やがて拠点を米カリフォルニアに移し、世界のベトナム人ディアスポラ最大の娯楽ブランドに成長した。
