テヘランジェルス
革命後ロサンゼルスで継承された在外イラン・ポップ。
どんな音か
生まれた背景
「テヘランジェルス」は「テヘラン」と「ロサンゼルス」をかけた造語で、革命後にロサンゼルス西部へ集まったイラン系移民社会を指す。職を失った歌手やプロデューサーが集まり、衛星放送やカセット、CDを通じて世界中のイラン人ディアスポラに音楽を届けた。
聴きどころ
80年代欧米ダンスポップの安価で陽気なシンセサウンドと、ペルシャ語・ペルシャ旋律のミスマッチな魅力を楽しみたい。亡命社会の祝祭性と郷愁が、明るいビートの裏に同居している。
発展
シャフラム・シャブパレ、アンディ、ブラック・キャッツらが新世代のダンスポップを生み出し、本国にも密かに流通した。衛星テレビとインターネットの普及で、国境を越えてペルシャ語ポップの中心地となった。
出来事
- 1979年: イスラム革命、芸能人の亡命。
- 1980年代: ロサンゼルスで在外ポップ産業が形成。
- 1990年代以降: 衛星放送で世界のディアスポラに普及。
派生・影響
現代イラン国内外のペルシャ語ポップ。
音楽的特徴
楽器シンセサイザー、ドラムマシン、エレキギター、ボーカル
リズム80年代ダンスポップのビート、ペルシャ旋律と歌唱
代表アーティスト
- Shahram Shabpareh
- Andy
- Black Cats
代表曲
Yeah Yeah — Black Cats (1995)
Hava Hava — Andy (1988)
Deeyar — Shahram Shabpareh (1985)
日本との関係
革命と亡命でディアスポラ・ポップが生まれた構図は、同じく戦争と亡命で生まれたベトナムのニャック・ハイゴアイと驚くほど似ている。二つを並べて聴くと、20世紀後半の「断絶した黄金期」の普遍性が見えてくる。
初めて聴くなら
アンディ『Hava Hava』が、テヘランジェルスらしい陽気なダンスポップの典型。
豆知識
本国では衛星放送が違法とされながらも、多くの家庭がこっそりパラボラアンテナを設置し、ロサンゼルス発のペルシャ語ポップを密かに受信していた。
