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ポップ

ニャック・ヴァン

Nhạc Vàng

サイゴン / ベトナム / 東南アジア · 1954年〜

別名: Nhạc bolero / ベトナム・ボレロ / 黄色い音楽

南ベトナムの感傷的バラード。ボレロのリズムに乗せた庶民の哀歌。

どんな音か

ゆったりとしたボレロやルンバのリズムに乗せて、別れや貧しさ、報われぬ恋を哀切に歌う南ベトナムのバラード。鼻にかかった独特の節回しとこぶしを利かせた歌唱が特徴で、ギターやエレキ、後にはシンセが伴奏に加わる。歌詞は庶民の言葉で、誰もが共感できる感傷をすくい取る。

生まれた背景

1954年の南北分断後、サイゴンを中心とする南ベトナムで広まった大衆歌謡。「ニャック・ヴァン(ニャック・ヴァン)」とは退廃的で感傷的な音楽を指す呼び名で、トゥルック・フオンら「ボレロの王」が量産した。1975年の統一後、北の政権はこれを禁じたが、人々は地下で聴き続けた。

聴きどころ

ボレロのゆったりした三連系のリズムと、歌い手のこぶし・ため息のような節回しに耳を傾けたい。豪華さではなく、生活感のある哀しさをどう声で表すかがこのジャンルの核心だ。

発展

1975年のサイゴン陥落・南北統一後、北の政権はこれを「退廃音楽」として禁止したが、地下で密かに聴かれ続けた。一方で亡命したベトナム人によって海外で(ニャック・ハイゴアイとして)保存された。近年は本国でも解禁が進み、若い世代にも再評価されている。

出来事

  • 1954年: 南北分断、サイゴンで感傷歌謡が興隆。
  • 1975年: サイゴン陥落、北部政権が「黄色い音楽」を禁止。
  • 2010年代: 本国での解禁・再評価が進む。

派生・影響

ニャック・ハイゴアイ(海外ベトナム人音楽)、現代V-popのバラード系統。

音楽的特徴

楽器ギター、エレキギター、シンセサイザー、独唱

リズムボレロ・ルンバのリズム、こぶしを利かせた哀切な歌唱

代表アーティスト

  • Trúc Phươngベトナム · 1957年〜1995
  • Thanh Tuyềnベトナム · 1959年〜
  • Chế Linhベトナム · 1962年〜

代表曲

日本との関係

感傷的な物語性と哀調は、日本演歌歌謡曲と肌触りが近い。実際「ベトナム演歌」と紹介されることもあり、演歌好きには驚くほどなじみやすい。

初めて聴くなら

チェ・リン『Thành Phố Buồn(悲しみの街)』(1970)が代表曲で、こぶしの利いた哀切な歌唱の典型。

豆知識

ニャック・ヴァン」の「黄色」は、革命の「赤」と対比される退廃・堕落の色とされた。北の「ニャック・ドー(ニャック・ドー)」とは政治的に対をなす名前だ。

影響・派生で結ばれたジャンル

ニャック・ヴァンを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

ニャック・ヴァン の系譜全体図(多段)を見る

同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

ベトナム · 1954年前後 (±25年)