マッドチェスター
ギターロックとアシッド・ハウスを融合させた、1980年代末マンチェスターの熱狂。
どんな音か
ギター・バンドの編成のまま、クラブのダンス・ビートを取り込んだ音楽。揺れるグルーヴ(バギー・ビート)、ファンキーなベース、多幸感あふれるメロディが特徴で、ロックの自信とレイヴの陶酔が同居する。きっちりしすぎないルーズなノリと、終わらないパーティーのような高揚感が魅力。
生まれた背景
1980年代末のマンチェスターで、クラブ「ザ・ハシエンダ」を震源にエクスタシーと結びついたレイヴ文化が広がる中から生まれた。ザ・ストーン・ローゼズとハッピー・マンデーズが二大看板となり、ギターを持った若者がダンス音楽の快楽を吸収した。
聴きどころ
ドラムが刻む、跳ねるようでいて引きずるバギー・ビートがこの音楽の心臓。ファンクから来た弾むベースライン、ワウのかかったギター、陶酔的に繰り返すグルーヴに身を委ねると本質が掴める。
発展
1989〜91年に英国の音楽シーンを席巻し、ファッションや若者文化全体を巻き込んだ。
出来事
- 1988年: マッドチェスター・シーンが胎動。
- 1989年: ザ・ストーン・ローゼズの1stと『Fools Gold』が転機に。
- 1990年: ハッピー・マンデーズ『Step On』がヒット、シーンが全国区へ。
派生・影響
ギター・ポップの自信と祝祭感を次世代に手渡し、1990年代のブリットポップへとつながる橋渡しになった。
音楽的特徴
楽器エレキギター、ベース、ドラム、サンプラー、シンセサイザー、ワウ・ペダル
リズム揺れるバギー・ビート、ダンスとロックの折衷、反復するファンキーなグルーヴ
代表アーティスト
- Happy Mondays
- The Stone Roses
代表曲
- Fools Gold — The Stone Roses (1989)
- I Wanna Be Adored — The Stone Roses (1989)
- Step On — Happy Mondays (1990)
日本との関係
初めて聴くなら
ザ・ストーン・ローゼズ『Fools Gold』(1989)がロックとダンスの融合の決定打。バンドの叙情面を知るなら『I Wanna Be Adored』(1989)を。
豆知識
シーンの心臓部だったクラブ「ザ・ハシエンダ」はニューオーダーらの出資で運営されていたが、放漫経営で赤字を垂れ流し続け、最終的に閉鎖に追い込まれた伝説的な場所だった。
