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ロック・メタル

オーストラリアン・インディー

Australian Indie

メルボルン / パース / オーストラリア / オセアニア · 1980年〜

別名: Aussie Indie / Oz Indie

The Church、Tame Impala、Courtney Barnett、King Gizzardが並走する、豪州のインディー/サイケ/ガレージ・ロックの総体。

どんな音か

オーストラリアン・インディーは、1980年代のThe Church以降、メジャー・レーベルから半歩距離を置いて活動するオーストラリアロック/ポップ・バンド群の総体だ。中心にあるのはメルボルンとパースの二つのシーンで、パースはTame ImpalaとPondを軸にしたサイケデリック・ポップ、メルボルンはCourtney Barnettの脱力系ソングライティングとKing Gizzardの多作な変拍子サイケ、Amyl and the Snifffersのパブロック回帰型パンクが並列に存在する。編成は4-5人組、録音はローファイと高解像度のハイブリッド、歌詞は都市生活の細部と虚無感を平坦なメロディに乗せる傾向がある。

生まれた背景

1980年結成のシドニーThe Churchが起点で、1988年『Under the Milky Way』でジャングリーな12弦ギターとリバーブ・ボーカルの原型を作った。1990年代のYou Am I、Powderfinger、The Go-Betweensがこの流れを引き継ぎ、2000年代後半のパースからKevin Parker率いるTame Impalaが登場、2010年『Innerspeaker』でサイケデリック・ポップの世界的中心を豪州西海岸に移した。メルボルン側は2013年Courtney Barnett『How to Carve a Carrot into a Rose』が半話し半歌いのソングライティングを打ち出し、2010年結成のKing Gizzard & the Lizard Wizardが2017年に1年5枚リリースで海外のマニア層を掌握した。

聴きどころ

Tame Impala『The Less I Know the Better』のベースが歌より前に鳴る奇妙な音量バランスに耳を澄ませてほしい。Kevin Parkerは自宅スタジオでほとんど全ての楽器を一人で弾き重ねる作家で、ドラムとベースの位相をあえてずらすことで「頭を後ろに引っ張られる感覚」を作る。Courtney Barnett『Depreston』は主人公が郊外の住宅を見に行く一日の情景を淡々と語る歌詞で、感情を煽らないボーカルの平坦さが逆に切なさを増幅する。King Gizzardの変拍子は、無理に数えず「奇妙なままの気持ち良さ」で受け取るのが正しい聴き方だ。

発展

2013年結成のKing Gizzard & the Lizard Wizardはメルボルンの7人組で、2017年に1年で5枚のアルバムを発表するというロック史上例のない多作ぶりで海外のマニア層を掌握、Fuji Rock 2018出演でも話題になった。2021年結成のAmyl and the Sniffers(結成は2016)は、Amy Taylor率いるパブロック回帰型のパンクで、2022年『Comfort to Me』でグラミー候補となり、ロンドンとNYの若年層に豪州ロックの新型を届けた。The AvalanchesやKirin J Callinanは電子音楽とインディーの境界に位置する。

出来事

  • 1980: The Church結成
  • 1988: The Church『Starfish』/『Under the Milky Way』
  • 2010: Tame Impala『Innerspeaker』
  • 2015: Courtney Barnett『Sometimes I Sit and Think』
  • 2017: King Gizzard 1年5枚リリース

派生・影響

psychedelic-popとpost-punkの直接の子孫。米インディー(Mac DeMarco、Kurt Vile)と兄弟関係、英インディー(Fontaines D.C.、Wet Leg)とは大西洋を挟んで並走する。

音楽的特徴

楽器エレキギター、ベース、ドラム、シンセ、時にサックス、フルート、コーラス

リズム4/4のミドル・テンポが中心、Tame Impalaはループ主体の90-110BPM、King Gizzardは5/4や7/8の変拍子を頻用

代表アーティスト

  • The Churchオーストラリア · 1980年〜
  • King Gizzard & the Lizard Wizardオーストラリア · 2010年〜
  • Courtney Barnettオーストラリア · 2012年〜
  • Amyl and the Sniffersオーストラリア · 2016年〜

代表曲・古典

代表曲・現在

日本との関係

Tame Impalaは2015年フジロック、2020年サマーソニックに出演、日本のインディー層の中で最大のオーストラリアブランドとなった。Kevin Parkerが影響源として細野晴臣や松任谷正隆を挙げたことがあり、日本のシティ・ポップ再評価の潮流と直接接続している。King Gizzardは2018年フジロック、2022年サマーソニック出演でジャム・バンド好きの日本人リスナーを掌握、彼らのライブ盤にはFuji Rockのアウトドア録音が入っているものもある。Courtney Barnettも2015年サマーソニック、2019年フジロック出演で、日本のインディー女性リスナーに強い支持を持つ。

初めて聴くなら

入り口はTame Impala『The Less I Know the Better』(2015)、Kevin Parkerのプロダクションが最も明快に聴ける。次にCourtney Barnett『Depreston』(2015)、脱力系SSWの完成形。King Gizzard『Rattlesnake』(2017)は変拍子サイケの入り口として最適だ。Amyl and the Sniffers『Guided by Angels』(2021)は現代豪州パンクの現在地。深夜のヘッドホン、あるいは夕暮れのドライブが向いている。

豆知識

Tame Impalaの『Innerspeaker』(2010)、『Lonerism』(2012)、『Currents』(2015)はいずれもKevin Parkerが自宅スタジオで一人で録音した実質ソロ・プロジェクトで、ライブの5人組はツアー用のバンドだ。King Gizzardの2017年5枚リリースには、マイクロトーナル・チューニング(24等分音階)で録音した1枚『Flying Microtonal Banana』が含まれており、トルコのサズ奏者のためのカスタム・ギターが使われた。Courtney Barnettのレーベル『Milk! Records』は彼女のパートナーのJen Cloher(SSW)との共同経営で、オーストラリアインディーの女性主導レーベルの代表格となっている。

影響・派生で結ばれたジャンル

オーストラリアン・インディーを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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