ビルマ・ポップ
近代ミャンマーの大衆音楽。西洋ヒットの翻案から自作ポップ/ロックへ。
どんな音か
エレキギター中心のバンドサウンドに、ビルマ語の抑揚を生かした歌唱が乗る近代ミャンマーの大衆音楽。当初は西洋ヒット曲のメロディにビルマ語詞を付けた「コピー・タチン(コピーソング)」が主流で、後にオリジナルの「ステレオ」やビルマ・ロックへと発展した。
生まれた背景
聴きどころ
原曲がどの西洋ヒットかを探りながら聴くと、コピー・タチンの面白さがよく分かる。ビルマ語の柔らかな抑揚が、西洋のメロディに乗るときの独特の質感に注目したい。
発展
サイ・ティー・サインらが1970年代に人気を集め、1980年代にはザウ・ウィン・トゥッが「ビルマ・ロックのゴッドファーザー」と呼ばれる存在となった。次第にオリジナル曲(ステレオ)の比重が高まり、現代ミャンマー・ポップの土台を作った。
出来事
- 1970年代: コピー・タチンが流行、サイ・ティー・サインが台頭。
- 1980年代: ザウ・ウィン・トゥッらでビルマ・ロックが確立。
- 1990年代以降: オリジナル「ステレオ」ポップが主流化。
派生・影響
現代ミャンマー・ポップ、ヒップホップ。
音楽的特徴
楽器エレキギター、ドラム、ベース、キーボード、ボーカル
リズム西洋ロック/ポップのビート、ビルマ語の抑揚を生かした歌唱
代表アーティスト
- Sai Htee Saing
- Zaw Win Htut
代表曲
Mhway — Sai Htee Saing (1978)
A Mhone Tikar — Zaw Win Htut (1985)
日本との関係
西洋曲のメロディに自国語の詞を乗せて広めた点は、戦後日本の訳詞ポップスとも通じる。閉ざされた国でいかに外の音楽が翻案され受容されたかという主題は、比較文化的にも興味深い。
初めて聴くなら
サイ・ティー・サイン『Mhway』が、1970年代ビルマ・ポップの代表曲として入りやすい。
豆知識
ザウ・ウィン・トゥッは「ビルマ・ロックのゴッドファーザー」と呼ばれ、軍政下のミャンマーにロックを根付かせた立役者として今も尊敬を集めている。
