アップリフティング・トランス
1990年代後半、感情高揚を志向するトランスのメインストリーム形式。Tiësto、Armin van Buurenらが代表。
どんな音か
アップリフティング・トランスは、1990年代後半以降のトランスの中で、感情の高揚と大きなメロディを前面に出すスタイル。速めの四つ打ち、アルペジオ、長いビルドアップ、空へ開けるようなブレイクが特徴である。クラブで踊る音楽でありながら、サビに近い主旋律が強く、聴き手の感情を一気に持ち上げる。
生まれた背景
聴きどころ
キックの上で、細かいシンセの反復が少しずつ開いていく過程を聴く。ブレイクではビートが抜け、パッドと主旋律が広がり、ドロップで全体が戻る。この落差がアップリフティングの快感である。メロディが甘く感じられることもあるが、音色の透明感と展開の長さが合うと、大きな会場で強い一体感を生む。
発展
2000年代を通じて世界的トランスシーンの中核となり、2010年代以降はProgressive Tranceや EDM Big Roomへ吸収されていった。
出来事
- 1999: Ferry Corsten『Out of the Blue』 / 2001: ASOT放送開始 / 2008: Armin van Buuren『Imagine』
派生・影響
Progressive Trance、EDM。
音楽的特徴
楽器シンセ、ピアノ、ストリングス、TR-909
リズム138-142 BPM、4つ打ち、長いビルドアップ
代表アーティスト
- Ferry Corsten
代表曲
- Adagio for Strings — Tiësto (2005)
- In and Out of Love — Armin van Buuren (2008)
- Out of the Blue — Ferry Corsten (1999)
- Punk — Ferry Corsten (2002)
- Made of Love — Ferry Corsten (2008)
日本との関係
初めて聴くなら
入口は「Out of the Blue — Ferry Corsten (1999)」。明るいシンセと高揚感がジャンルの基本を示している。続けて「In and Out of Love — Armin van Buuren (2008)」でボーカル曲の形を、「Adagio for Strings — Tiësto (2005)」でクラシック旋律をフェス向けに変える手法を聴くとよい。
豆知識
アップリフティング・トランスでは、曲の中盤に長いブレイクを置くことが多い。踊りを止めるように見えて、実際にはドロップの爆発力を最大にするための時間である。DJセットでは、このブレイクをどうつなぐかが会場の感情を左右する。
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- エレクトロニックハードスタイル
- エレクトロニックガバー
- エレクトロニックビッグ・ルーム・ハウス
- エレクトロニックロウスタイル
- エレクトロニックフューチャー・ハウス
