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ロック・メタル

キーウィ・ロック

Kiwi Rock

オークランド / ウェリントン / ニュージーランド / オセアニア · 1972年〜

別名: NZ Rock / New Zealand Rock

Split Enz(1972)とCrowded House(1985)のフィン兄弟を軸に、Shihadと共に育ったニュージーランドのロック文化。

どんな音か

キーウィ・ロック(キーウィ・ロック)は、1972年オークランド結成のSplit Enzを起点にする、ニュージーランドロック/ポップ・ロック・バンド音楽の総称だ。中心軸はティム・フィンとニール・フィンの兄弟で、Split Enz→Crowded ハウス→ソロ活動と一本の系譜で繋がっている。編成は4-5人組が基本、初期Split Enzはプログレ寄りの複雑な構成、Crowded ハウス以降は5-6分のポップ・ロック・バラード型が主流になった。歌詞は英語で、フィン兄弟の場合は日常的な情景を抽象化した詩的なリリックが特徴で、オーストラリアのパブロックとは対照的に「湿ったメロディ感覚」を持つ。ウェリントンからは1988年結成のShihadがハードロック側を担った。

生まれた背景

Split Enzは1972年ティム・フィン、フィル・ジャッド、マイク・チャンら、オークランド大学の学生たちで結成された。1975年に弟のニール・フィンが加入、1980年『True Colours』所収の『I Got You』がオーストラリア1位、NZ1位、そして日本イギリスでもチャート入りし、キーウィ・ロックが海外で本格的に売れる最初の瞬間を作った。1985年、Split Enz解散後にニール・フィンがメルボルンでCrowded ハウス(元Split EnzドラマーPaul Hester、豪ベースNick Seymour)を結成、1986年『Don't Dream It's Over』が全米2位となり、Crowded ハウスはNZ/豪合作型バンドの原型となった。

聴きどころ

Split Enz『I Got You』を聴くと、ニール・フィンのメロディが英米ロックとは違う独特の「跳躍」を持っているのがわかる。7度、9度の広い音程跳躍を平然と使い、これがフィン兄弟のメロディの署名になっている。Crowded ハウス『Don't Dream It's Over』のサビ前の休符の入れ方、そしてハンモンド・オルガンのドラッキーな音色は、80年代英米ポップの誰も真似できない独特の余白感を作っている。Shihad『Home Again』は、これらのメロディックな系譜とは対照的に、ハードなリフとアンセミックなサビで20世紀末のNZロック最重量級の音を示している。

発展

ウェリントンの1988年結成Shihadは、Metallica系のスラッシュとMuse系のアンセミック・ロックの中間で1996年『Killjoy』、2005年『Love Is the New Hate』を発表、NZロック最重量級として20年以上活動している。オークランドのThe Datsuns(1995結成)はガレージ・ロック・リバイバル世代で2002年英全国チャート17位を獲得、The Mint ChicksはRuban Nielson(現Unknown Mortal Orchestra)を輩出した。The Chills、The Clean、The BatsといったDunedin Sound(1980-90年代のダニーデン発ジャングリー・ギター・ポップ)もこの系譜の重要な支流だ。

出来事

  • 1972: Split Enz結成
  • 1980: Split Enz『I Got You』
  • 1985: Crowded House結成
  • 1986: 『Don't Dream It's Over』全米2位
  • 1988: Shihad結成
  • 2001: NZ Musicクォータ制度導入

派生・影響

australian-pub-rockとの兄弟関係、post-punk/new waveと直接接続。Unknown Mortal Orchestra以降のnz-indieへの母胎。

音楽的特徴

楽器エレキギター、ベース、ドラム、ピアノ/キーボード、時にサックス、コーラス

リズムスタンダードなロックの4/4、Split Enz初期はプログレ的な変拍子と5/4、Crowded Houseはミドル4/4のポップ・ロック

代表アーティスト

  • Split Enzニュージーランド · 1972年〜1984
  • Crowded Houseニュージーランド · 1985年〜
  • Shihadニュージーランド · 1988年〜

代表曲・古典

日本との関係

Crowded ハウス『Don't Dream It's Over』は日本でスロー・バーンの定番として長年愛好され、80年代の日本FM放送のプレイリスト常連となった。J-WAVE、TOKYO FMなどの深夜番組では現在も定期的にオンエアされる。Split Enzは1980年初来日、以降フィン兄弟のソロ活動でもたびたび来日している。Neil Finnは2007年に日本のバンドと共演したソロ・ツアーを行い、日本のシンガー・ソングライター系(高橋幸宏、山下達郎)からも敬意を表明されている。Shihadは1990年代の日本のヴィジュアル系との時代的並走関係で、隠れた影響がある。

初めて聴くなら

入り口はCrowded ハウス『Don't Dream It's Over』(1986)、キーウィ・ロックの湿ったメロディ感覚の完成形だ。次にSplit Enz『I Got You』(1980)、フィン兄弟のメロディ・センスの原型を体感できる。Crowded ハウス『Weather with You』(1991)は雨の日に聴くのに最適。Shihad『Home Again』(1997)はハード側から入りたい向けだ。夕方、あるいは雨の休日に、が向いている。

豆知識

ティム・フィンとニール・フィンは1970-80年代に一時的にSplit Enz、その後Crowded ハウスのメンバーとしてもFinn Brothersとしても活動し、彼らの兄弟共作はオーストラリアとNZの両方で「もう一つのビートルズ」と呼ばれた時期がある。Crowded ハウスのドラマーPaul Hesterは2005年3月26日、メルボルンで自ら命を絶った(享年46歳)。バンドはその後2007年に再結成、2010年、2016年、2021年と断続的に活動を続けている。Shihadの1999年発表アルバム『The General Electric』は、9/11事件後に一時的にバンド名を「Pacifier」に変更させられた歴史がある(米国市場でShihadがイスラム的に聞こえるという理由で、後にShihadに戻した)。

影響・派生で結ばれたジャンル

キーウィ・ロックを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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