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ラテン・カリブ

チリ・クンビア

Chilean Cumbia

サンティアゴ / チリ / 南米 · 1962年〜

別名: Cumbia chilena / Cumbia sound / Cumbia sonora

1962年La Sonora Palaciosが確立した、ブラス編成と甘い歌唱によるチリ独自のクンビア。

どんな音か

チリ・クンビアは、コロンビアクンビアの2/4のダンス土台に、キューバマンボ/チャランガ由来のブラス編成(トランペット2〜3本、トロンボーン、サックス)と、より甘くメロディックなボーカル・スタイルを重ねたバリアントである。テンポは95-110BPMで、コロンビア本家より速く踊りやすい。1962年サンティアゴでLa Sonora Palacios(1961結成、リカルド・パラシオス率いる)が『Un Año Más』のヒットで型を確立し、1970年代以降La Sonora de Tommy Rey(1971結成、トマス・ゴンサレスがリード)が主要スタジアム音楽の座を継いだ。2000年代以降のChico Trujillo以降は「Nueva クンビア チリna」として再登場している。

生まれた背景

1960年代のチリではキューバ音楽とクンビアの両方が輸入盤で流通しており、La Sonora Palaciosは両者を混合したブラス編成でサンティアゴのダンス市場を制圧した。1972年のアジェンデ政権期には、Palacios風のクンビア・ソノラは「大衆音楽」として左右両陣営の熱狂的支持を得た。ピノチェト独裁期(1973-90)にヌエバ・カンシオンロックが禁止された時、クンビアは政治的に無害と見なされ、実質的にチリ唯一の合法的ダンス音楽になった。この期間の結婚式、大晦日、地方祭りの標準音楽は全てクンビア・チレナで、これがジャンルの現在の遍在性の基盤になっている。

聴きどころ

La Sonora Palaciosの『Un Año Más』(1962)を聴くと、コロンビアクンビアと比べて明らかにテンポが速く、トランペットのフレーズがキューバマンボの語彙で書かれていることがわかる。これがチリ・クンビアの音色的特徴だ。Tommy Reyのボーカルは高音でメロディックで、コロンビアの野太い男性歌手とは対照的で、若い女性層への訴求を意図した設計になっている。2000年代のChico Trujilloは、この伝統的なクンビア・ソノラの上にスカやパンクのビートを混入させており、Nueva クンビア チリnaと呼ばれる新しい方向性を示す。

発展

2000年代以降、Chico Trujillo(1999結成、バルパライソ)がクンビア・チレナに1980年代のロックとスカを混入し「新チリ・クンビア」を確立した。同世代のBanda Conmoción、Juana Fe、La Mano Ajenaと共に、伝統的なクンビア・ソノラから離れたよりインディー寄りのシーンを形成している。

出来事

  • 1962: La Sonora Palacios『Un Año Más』
  • 1971: La Sonora de Tommy Rey結成
  • 1999: Chico Trujillo結成
  • 2010年代: Nueva Cumbia Chilena国際化

派生・影響

Nueva Cumbia Chilena(Chico Trujillo系)、Cumbia Villera(アルゼンチン)への間接的影響。

音楽的特徴

楽器トランペット2-3、トロンボーン、サックス、エレキギター、ベース、ボンゴ、コンガ、ティンバレス、ボーカル

リズムコロンビア・クンビアの2/4を95-110BPMまで加速、ブラス・リフによる装飾

代表アーティスト

  • La Sonora Palaciosチリ · 1961年〜
  • La Sonora de Tommy Reyチリ · 1971年〜

代表曲・古典

日本との関係

日本での認知は極めて薄い。Chico Trujilloは2010年代にワールドミュージック好きの一部で聴かれた実績があるが、La Sonora Palaciosや Tommy Reyの伝統的なクンビア・チレナはほぼ知られていない。チリ人日系人コミュニティが東京や大阪で年数回開くチリ料理と音楽のイベントで、クンビア・チレナが実質的な唯一の生演奏機会になっている。今後の可能性はチリan pop的な文脈でMon Laferteがクンビア引用曲を出せば拡張が起こりうる。

初めて聴くなら

最初はLa Sonora Palacios『Un Año Más』(1962)、これはチリ・クンビアの型が確立した瞬間の音として聴きやすい。次にTommy Rey『Cariñito』でよりメロディックな1980年代の姿を確認する。現代寄りならChico Trujillo『Loca』(2007)がNueva クンビア チリnaの入り口として最適だ。チリの結婚式で流れている定番曲群として聴くと、この音楽の生活密着的な役割が体感できる。

豆知識

チリでは大晦日にLa Sonora Palaciosの『Un Año Más』を鳴らして新年を迎えるのが伝統になっており、この曲は事実上の「新年賛歌」として機能している。La Sonora Palaciosの創設者リカルド・パラシオスは1961年当時20歳の青年で、彼が両親から借りたトランペットで始めたバンドが50年後にチリ最大のクンビア・バンドになるとは誰も予想していなかった。Chico TrujilloのAldo Macha Asenjoは1990年代にはパンク・バンドLa Floripondio出身で、彼の経歴が「パンクからクンビアへ」というNueva クンビア チリnaの越境性の象徴になっている。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1850年代1930年代1960年代1970年代チリ・クンビアチリ・クンビアクンビアクンビアマンボマンボクンビア・ソニデーラクンビア・ソニデーラ凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
チリ・クンビアを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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チリ · 1962年前後 (±25年)