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伝統・民族

ヌエバ・カンシオン

Nueva Canción

サンティアゴ / チリ / 南米 · 1960年〜

別名: Nueva canción chilena / New song / 抵抗歌

アンデス民謡を土台にしたラテンアメリカの抵抗歌。

どんな音か

ケーナやチャランゴといったアンデスの民族楽器とアコースティック・ギターを軸に、社会的メッセージを込めて歌うラテンアメリカ合衆国ヌエバ・カンシオン。装飾を抑えた素朴な伴奏と、語りかけるような誠実なボーカルが核にある。土地・貧困・尊厳・連帯を主題に、商業歌謡とは一線を画す質朴さを保つ。

生まれた背景

1960年代、チリでビオレータ・パラが各地の民謡を採集・再創造したことが源流となり、ビクトル・ハラやキラパジュンが社会変革の運動と結びついて「チリの新しい歌」を形づくった。アジェンデの人民連合政権を支える文化運動として広がり、アルゼンチンのメルセデス・ソーサらを通じてラテンアメリカ合衆国全域へ波及した。

聴きどころ

ケーナ(縦笛)の物悲しい音色とチャランゴの細かなかき鳴らしが、アンデスの風土を運んでくる点に耳を澄ませたい。声は朗々と張り上げるより、聴き手にそっと語りかける誠実さが基調だ。民謡のリズムを土台にしつつ、歌詞は明確に現実の社会へ向けられている。

発展

1973年のチリ軍事クーデターでビクトル・ハラが逮捕・拷問の末に殺害され、多くの音楽家が亡命を強いられた。弾圧は逆にこの音楽を国際的な連帯の象徴へと押し上げ、亡命先の欧州やメキシコで継承された。

出来事

  • 1966年: ビオレータ・パラが『Gracias a la Vida』を発表。
  • 1970年: サルバドール・アジェンデの人民連合政権が成立。
  • 1973年: チリ軍事クーデター、ビクトル・ハラが殺害される。

派生・影響

ブラジルのトロピカリアと並ぶ60-70年代ラテンアメリカの抵抗音楽。後のラテンフォークやワールドミュージックにも影響を残した。

音楽的特徴

楽器アコースティック・ギター、ケーナ、チャランゴ、ボンボ、声

リズムアンデス民謡由来の旋法、簡素な伴奏、語りかけるボーカル

代表アーティスト

  • Violeta Parraチリ · 1950年〜1967
  • Víctor Jaraチリ · 1957年〜1973
  • Mercedes Sosaアルゼンチン · 1965年〜2009
  • Quilapayúnチリ · 1965年〜

代表曲

日本との関係

日本では1970年代以降、フォークや社会運動の文脈でビクトル・ハラの名が知られ、彼の殺害は「歌う者が殺された」象徴として語り継がれた。『不屈の民(El Pueblo Unido)』は日本の集会やデモでも歌われたことがある。

初めて聴くなら

ビオレータ・パラ『Gracias a la Vida(人生よありがとう)』(1966)がこのジャンルの精神を凝縮した一曲。ビクトル・ハラなら『Te Recuerdo Amanda』(1968)から入ると、その優しさと悲劇性の落差が胸を打つ。

豆知識

『Gracias a la Vida』を書いたビオレータ・パラは、その翌年に自ら命を絶った。生を讃えるこの名曲が遺作に近いものになったという事実が、曲の重みをいっそう増している。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1960年代ヌエバ・カンシオンヌエバ・カンシオントロピカリアトロピカリア凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ヌエバ・カンシオンを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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