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マレーシア

Malaysia

東南アジア

マレーシアの再生回数トップは意外にも洋楽だ。ジャスティン・ビーバーの『Beauty And A Beat』やブルーノ・マーズの『Risk It All』がTikTokで再燃し、2026年にはそれぞれ首位に立った。東南アジアの中でも、再生回数の上位に欧米のヒット曲が並ぶ珍しい市場である。だが、その華やかなチャートの裏では、もっと面白いことが起きている。多民族国家であるこの国には、マレー系(マレー語ポップ)・華人系(マンドポップ=中国語圏のポップス)・インド系(タミル映画音楽)という3つの音楽圏が同居しているのだ。同じ国の中で、この3つのチャートは互いにほとんど交わらないまま走り続けている。

自国アーティストの人気曲

  • Cinta Selepas Cinta 愛のあとの愛Siti Nurhaliza · 1999

    マレーシアの女王Siti Nurhalizaの古典。世代を超えて愛される失恋ソング、ジャワ系・スマトラ系・マレー系で広く知られる。

  • Jaga Dia Untukku 彼女を私のために大切にAizat Amdan · 2019

    別れた恋人の新しいパートナーに「彼女を私のために大切にしてくれ」と頼む、独特の視点のバラード。

海外アーティストの人気曲

世代・地域・経済による違い

同じ国に住み、同じ街を歩く若者が、まったく別の音楽宇宙を生きている。マレー系の若者はK-popや洋楽を好む。一方で、マレーポップの大御所(シティ・ヌルハリザ、ファイザル・タヒル)や、冠婚葬祭でも流れるナシード(イスラムの宗教歌)は、幅広い世代に支持されている。華人系は、台湾ドラマ経由で親しんだ台湾や中国本土のマンドポップをよく聴く。同世代でも、自分たちの言語圏の音楽に強く引き寄せられる。インド系は南インドのタミル映画音楽を中心に聴く。意外なのは、隣国インドネシアとの境目がほとんど感じられないことだ。インドネシアの歌手(人気バンド「セブンティーン」のイファンなど)は言語も文化も近く、ほぼ自国の歌手のように親しまれている。

参考資料

- Spotify Malaysia Daily: https://kworb.net/spotify/country/my_daily.html