ポップ

マンダリンポップ

Mandopop

中国 / 東アジア · 1920年〜

20世紀初頭の上海で源流をもち、現在は台湾・中国を中心に展開する標準中国語のポップ。

どんな音か

中国語(普通話、マンダリン)で歌われるポップ。BPM 80〜130。シンセサイザー、ピアノ、ストリングス、ドラム、エレキギター。バラードが多く、サビでメロディが上昇する構造。歌詞は普通話、テーマは恋愛、別れ、家族、青春、社会観察。歌い手は感情を歌い上げるスタイルが好まれ、メリスマ(節回し)とビブラート(声を揺らす)が特徴。録音はマスタリング音圧が高く、ボーカルが前面に立つ。

生まれた背景

1970年代の台湾香港で、上海歌謡(1930〜40年代の中国大衆音楽)を継承する形で成立。1970年代の鄧麗君(テレサ・テン)が台湾香港日本・中国本土・東南アジアの中華圏全体で広く愛され、マンダリンポップの母とされる。1990年代の台湾「四大天王」(劉徳華、張学友、黎明、郭富城)、1998年の周杰倫(Jay Chou)登場以降は彼が圧倒的な存在感を持ち、台湾ポップを世界水準に押し上げた。2010年代以降は中国本土のシーンが急拡大し、TFBOYS、鹿晗、王源らが世代を更新している。

聴きどころ

歌い上げの極致。マイ・チョウ(周杰倫)以降の楽曲はR&B、ヒップホップ、トリップホップを取り入れた複雑なプロダクションだが、メロディとヴォーカルは聴き取りやすさを最優先する。中国語の四声(声調)とメロディが衝突しないよう、作曲時に細心の注意が払われる(同じメロディを英語と中国語で歌うと意味が変わる現象がある)。

代表アーティスト

  • Li Xianglan (李香蘭)中国 · 1938年〜1958
  • Teresa Teng (鄧麗君)台湾 · 1967年〜1995
  • Jacky Cheung (張學友)中国 · 1984年〜
  • Leon Lai (黎明)中国 · 1986年〜
  • Faye Wong (王菲)中国 · 1989年〜
  • Michael Wong (光良)マレーシア · 1995年〜
  • Jolin Tsai (蔡依林)台湾 · 1998年〜
  • Jay Chou (周杰倫)台湾 · 2000年〜

代表曲

日本との関係

テレサ・テン(1953〜95)は日本でも『つぐない』(1984)『愛人』(1985)『時の流れに身をまかせ』(1986)で日本レコード大賞を3年連続受賞した、日本歌謡史上最も成功した非日本人歌手。彼女の墓は台湾だが、日本人ファンが今も訪れる。中島みゆきの楽曲を周華健、王菲、テレサ・テンが中国語カバーすることも多い。

初めて聴くなら

古典なら、Teresa Teng『甜蜜蜜』(1979)。Jay Chouなら『七里香』(2004)、『稻香』(2008)。最近のものなら、G.E.M.『光年之外』(2017)、Eric Chou『怎麼了』(2017)。

豆知識

テレサ・テンの楽曲は1980年代の中国本土で「ブルジョア的」として禁止されていたが、密造カセットテープで全国に広まり「老テン(現政権)昼を支配し、小テン(テレサ・テン)夜を支配する」と言われた。1995年のテレサ・テン死去時、台湾政府は半旗を掲げて国民的喪に服した(歌手として異例の処遇)。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1920年代1950年代1970年代1980年代マンダリンポップマンダリンポップ歌謡曲歌謡曲CポップCポップシンヤオシンヤオ凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
マンダリンポップを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

マンダリンポップ の系譜全体図(多段)を見る

同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

中国 · 1920年前後 (±25年)

ジャンル一覧へ戻る