ペルシャ・ポップ
革命前テヘランのポップ黄金期。西洋ポップとペルシャ旋律の融合。
どんな音か
オーケストラやエレクトリックなアレンジに、四分音を含むペルシャ的な旋律装飾と、豊かに装飾された情感ある歌唱が乗る。甘いラブソングから哀愁を帯びたバラードまでテンポは多彩で、西洋ポップの洗練とペルシャ古典の旋律美が同居する。
生まれた背景
聴きどころ
西洋的なアレンジの中に、ふと顔を出す四分音やペルシャ旋法の装飾を聴き取りたい。歌い手の声の細やかな揺らし方に、ペルシャ古典声楽の伝統が息づいている。
発展
グーグーシュ、ダリウシュ、ハーイェデらが黄金期を築いたが、1979年のイスラム革命後、新政権はポップ音楽と女性歌手の歌唱を禁じた。多くの歌手が亡命し、本国では沈黙を強いられた。
出来事
- 1970年: テヘランでポップ産業が全盛期へ。
- 1977年: ハーイェデ『Soghati』など名バラードが流行。
- 1979年: イスラム革命、ポップ音楽と女性歌唱の禁止。
派生・影響
テヘランジェルス(在外イラン・ポップ)。
音楽的特徴
楽器オーケストラ、エレキギター、シンセ、ペルシャ打楽器、ボーカル
リズム西洋ポップの和声、ペルシャ旋法と四分音、装飾的な歌唱
代表アーティスト
- Googoosh
- Hayedeh
- Dariush
代表曲
- Talagh — Googoosh (1975)
- Soghati — Hayedeh (1977)
Booye Eydi — Dariush (1976)
日本との関係
イラン革命前の華やかな大衆文化が一夜にして禁じられた歴史は、日本ではあまり知られていない。その断絶ゆえに「失われた黄金期」として聴くと、音そのものの美しさが一層際立つ。
初めて聴くなら
ハーイェデ『Soghati』(1977)が、ペルシャ的情感あふれるバラードの名曲として入りやすい。
豆知識
最大のスター、グーグーシュは革命後20年以上も本国で歌うことを禁じられ、2000年に出国してようやく活動を再開した。沈黙そのものが一つの伝説になっている。
