ニャック・ドー
北ベトナムの革命・愛国歌。ニャック・ヴァンの政治的対極。
どんな音か
行進曲調や大合唱を多用し、勝利・労働・指導者・祖国を力強く高揚した旋律で歌う愛国歌。西洋オーケストラとベトナムの行進曲様式が融合し、独唱から斉唱・大合唱まで編成は幅広い。明るく前向きで、士気を鼓舞する目的を持つ。
生まれた背景
聴きどころ
感傷を排した明快な長調の旋律と、力強い斉唱・合唱の高揚感を聴きたい。同時代の南のニャック・ヴァンと聴き比べると、同じ国の音楽がいかに正反対の感情を狙ったかがよく分かる。
発展
ファム・トゥエン、ドー・ニュアン、ホアン・ヴァンらの作曲家が、ディエンビエンフーの戦いや統一を題材にした名曲を残した。統一後も国家行事や記念日で歌い継がれ、現在もベトナムの公式文化の一角を占める。
出来事
- 1945年: 八月革命、独立宣言、革命歌の隆盛。
- 1954年: ディエンビエンフー勝利、『Chiến Thắng Điện Biên』など。
- 1975年: 南北統一、『Như Có Bác Hồ』が祝勝歌に。
派生・影響
現代ベトナムの国家的・記念的合唱曲。
音楽的特徴
楽器西洋オーケストラ、合唱、行進曲楽器、独唱
リズム行進曲調、長調の高揚した旋律、斉唱・合唱
代表アーティスト
- Đỗ Nhuận
- Phạm Tuyên
- Hoàng Vân
代表曲
- Hò Kéo Pháo — Hoàng Vân (1954)
Chiến Thắng Điện Biên — Đỗ Nhuận (1954)
Như Có Bác Hồ Trong Ngày Vui Đại Thắng — Phạm Tuyên (1975)
日本との関係
戦時下の日本の軍歌・国民歌謡と、国家が音楽で士気を鼓舞した構図が重なる。プロパガンダと大衆歌の境界という主題を考えるうえで、比較対象として興味深い。
初めて聴くなら
ファム・トゥエン『Như Có Bác Hồ(まるでホーおじさんがそばにいるよう)』(1975)が統一の祝勝歌として今も歌われる定番。
豆知識
『Như Có Bác Hồ』はサッカーのベトナム代表が勝つたびにスタンドで大合唱される、事実上の「勝利の歌」になっている。
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- ポップニャック・ティエンチエン
- ロック・メタルニャック・チェ
