ラテン・カリブ

ファンキ150

Funk 150 BPM

リオデジャネイロ / ブラジル / 南アメリカ · 2018年〜

別名: Funk 150

2018年頃以降、リオの新世代プロデューサーが主流の130BPMから150BPMに加速させたブラジル・ファンキの高速亜種。

どんな音か

130BPMのファンキが当たり前だったリオで、2018年以降の新世代プロデューサーが150BPMへ加速させた。キックはほぼ一定の四分音符、その上をシンセベースが不規則に動く。MC のラップは速く、スラング混じりで饒舌。シンセホイッスルやジングルが容赦なく挿入され、素朴さはない。クラブが狭くなった都市空間で「音圧で体を押す」感覚を優先した高速化。

生まれた背景

2010年代のリオでは130BPMのファンキが主流だったが、SoundCloudやYouTubeで流通する過程で、プロデューサーたちが加速実験を重ねた。MC Kevin O Christu や Anittas などが 150BPM 前後の楽曲でストリーミング再生数を稼ぐようになると、一気に流行。COVID-19 パンデミックの後期には、リオのクラブシーンからオンライン配信へと重心が移る中、さらなる高速化は必然の選択肢だった。

聴きどころ

キックと四つ打ちのベース音が安定している間に、MC のスローガンやフック(反復)を追う。シンセホイッスルやサンプルのジングルが入る『タイミング』を先読みしないと、曲の構成が分かりにくい。Anitta『Bum Bum Tam Tam Pra Pra』では最後の 30 秒の落差が醍醐味。MC Kevin O Chris『Tipo Crash』の本編中盤のドロップまで、心理的な上昇感を追うとよい。

音楽的特徴

楽器ドラムマシン、シンセ、サンプラー

リズム150BPM、高密度サンプル

代表アーティスト

  • Anittaブラジル · 2010年〜
  • MC Kevin O Chrisブラジル · 2017年〜

代表曲

日本との関係

日本でのダンスミュージック関心層には届きにくいが、TikTok や Twitter での短編動画文化が流行した 2019〜2020 年代に、日本の Z 世代の一部が 150BPM ファンキの音と振り付けを動画で再発信。アニメやゲームのBGM職人コミュニティにも 150BPM という『数字』が注目され、制作実験の対象になった。

初めて聴くなら

MC Kevin O Chris『Tipo Crash』(2018) で 150BPM の加速感を直感的に。短く、スローガンが耳に残る。クラブで踊るなら Anitta『Bum Bum Tam Tam Pra Pra』(2022) で音の詰め込み具合を体験する。

豆知識

「ファンキ」の語源はブラジルポルトガル語で意味不明な方言や俗語を指す funk で、アフロブラジリアン文化の都市スラング。150BPM 化は、スマートフォンの処理速度向上と、非圧縮音声より MP3 の小さいファイルサイズが定着した 2010年代中盤の流通システム変化と軌を一にしている。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1980年代2010年代2020年代ファンキ150ファンキ150ファンキ・カリオカファンキ・カリオカファンキMTGファンキMTG凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ファンキ150を中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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ブラジル · 2018年前後 (±25年)

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