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Latin & Caribbean

Cumbia

Colombia · 1850–present

コロンビア生まれで、伝わった国ごとに違う音楽に育った、ラテンアメリカで最も多彩なダンス音楽。

What it sounds like

1・2、1・2と数える2拍子(2/4)を土台に、ゆったりめのテンポ(BPM80〜100前後)で進むダンス音楽だ。アコーディオンと太鼓(タンボール・アレグレなど数種)が屋台骨で、そこへガイタ(先住民族の縦笛)やガチャラカ(竹をこすって鳴らす打楽器)が絡む。低音(ベース)は低い2つの音を行ったり来たりして、ゆらゆらと揺れる土台をつくる。拍子のちょうど真上ではなく、少しずらした位置に強い音(アクセント)を置くシンコペーションが、独特の腰の重さを生む。歌い手は男女どちらもおり、一人が歌うと皆で応える掛け合い(コール&レスポンス)形式が多い。歌詞はスペイン語で、テーマは恋、ダンス、土地への愛着が中心だ。

How it came about

植民地期(諸説あり)のコロンビア・カリブ海岸で、アフリカ系奴隷の太鼓、先住民族の笛、スペイン系の歌が混ざって生まれたとされる。19世紀末から20世紀前半に「クンビア」として形が整い、1940〜50年代にはビッグバンド編成のクンビア・モデルナが、Lucho Bermúdezらの活躍でバランキージャやボゴタから全国へ広がった(普及にはレコード産業の中心地メデジンも一役買った)。やがて国境を越え、最も劇的に化けたのがペルーだ。1960年代末にエレキギターをクンビアへ持ち込んだLos Destellosを皮切りに、1970年代のLos Mirlosらがサーフ調の歪んだギターと混ぜ合わせ、「クンビア・アマソニカ(チチャ)」を生んだ。ほかにも1950〜60年代に定着したメキシコ、1990年代以降のアルゼンチン(クンビア・ビジェラ)と、伝わった先々で別ジャンルへと枝分かれしていった。

What to listen for

クンビアは前へ進む勢いがあるのに、決して急がない。その秘密がシンコペーションの取り方にある。1拍目の前に小さな食い込みがあり、2拍目に大きなアクセントが落ちる。ガチャラカが細かく「シャカ・シャカ」と刻み、その上でタンボール(太鼓)が「ドン・タッ・タン」と入る。この二つが組み合わさって、独特の腰の重い前進感が生まれる。アコーディオンを使うメキシコ国境地帯の音楽ノルテーニョと聴き比べると面白い。ノルテーニョが2拍子で前のめりに跳ねるのに対し、クンビアは同じ拍子でも腰を落として後ろへ引っぱる。

If you only hear one thing

古典なら、Lucho Bermúdez『Colombia Tierra Querida』——ビッグバンド時代のおおらかなクンビアが分かる。メキシコ系アメリカ(テハーノ)なら、Selena『Bidi Bidi Bom Bom』(1994)——クンビアがポップスに溶けた瞬間が聴ける。アルゼンチンのストリート系なら、Damas Gratis(クンビア・ビジェラ)——同じリズムが荒く尖ると、こうなる。

Trivia

「Cumbia」の語源は、中部アフリカ(赤道ギニア)のバントゥー諸語に由来する踊り「cumbé」とする説が有力だ(諸説あり)。クンビアを中心とするバランキージャのカーニバルは、2003年にユネスコの無形文化遺産に選ばれた。ペルーのチチャという呼び名は、トウモロコシを発酵させた地酒「チチャ」に由来する。アンデスからリマの労働者街へ移り住んだ人々の音楽だが、この「チチャ」という呼び名はもともと階級差別の蔑称だった。それを当事者たちが、自分たちの音楽を指す誇りある名として使い返した。19世紀には男性が女性のまわりを回りながら口説く求愛の踊りで、その名残でいまも輪になって踊る。

Hear the rhythm

The signature rhythm pattern of this genre. Press play to loop it, and follow the score below to see which beat is sounding.

Cumbia · 90 BPM

Notable artists

  • Los Ángeles Azules1976–present
  • Celso Piña1980–2019
  • Carlos Vives1986–present

Notable tracks

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